東アジア平和発展と琉球学建設シンポ、中日研究者「沖縄を平和協力の拠点に」―北京

CRI online    2024年5月16日(木) 16時50分

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「東アジアの平和発展と琉球学建設」をテーマにした国際学術シンポジウムが15日に北京市内で開かれました。

「東アジアの平和発展と琉球学建設」をテーマにした国際学術シンポジウムが15日に北京市内で開かれました。中日双方の研究者は席上、「沖縄は軍事対立の最前線になるのではなく、平和と協力の拠点になってほしい」と呼びかけ、客観的で公正な立場から、琉球の歴史の再構築を図るための琉球学の確立を呼びかけました。  

開幕式にビデオメッセージを寄せた中国社会科学院の趙志敏秘書長は、両国の研究者に向けて「中国と琉球が友好往来してきた歴史的経験を掘り下げ、それらの研究成果を踏まえた上で、沖縄が現在直面している安全保障上の課題と今後の方向性を分析し、東アジアの平和と発展に向けて実行可能な対策案を議論していただきたい」との期待を示しました。

日本の社会民主党の副党首である新垣邦男衆議院議員はビデオメッセージで、厳しさを増す地域情勢を背景に、「沖縄から、中国の皆さんと問題意識を共有しながら交流を深めていきたい」と述べ、「中国と沖縄、そして日本がいつまでも平和で素晴らしい交流ができるように」と論じました。

中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長は席上、日本政府が沖縄を中心とした南西諸島で軍事要塞化を加速する動きに言及し、「沖縄が軍事対決の最前線になるのではなく、平和協力の拠点になるよう望む。このことは沖縄の前途と命運にとっても、東アジアの平和的発展にとっても、極めて重要だ」と訴えました。

楊所長はまた、「琉球(沖縄)問題には複雑な歴史の経緯があり、現実でも多様な関心が寄せられている。関連問題の研究には研究者同士の交流や学際的な連携が必要だ」と述べました。

同シンポジウムでは開幕式の後に3つの分科会が設けられ、中日双方の研究者18人が発表を行い、ディスカッションが続きました。

中でも青山学院大学の羽場久美子名誉教授は、「世界が大きな転換点にあり、先進国は覇権の衰退の危機の中、恐怖からの封じ込めを行い、戦争を生んでいる」と目下の世界情勢を分析し、「アジアで戦争をしない、させない。戦争戦略に乗らない」と市民同士の連携による平和構築を訴えました。

沖縄国際大学講師の知念ウシ氏は、米軍専用施設の7割以上が沖縄に置かれている現状は「日本による“構造的琉球差別”の結果」だと切り込み、基地の県外移設こそがそうした「構造的差別」を終わらせる解決策だと論じて、「中国からも理解と支持を」と訴えました。 

北京大学歴史学部の徐勇教授はシンポジウムのテーマにある「琉球学」について、「権威ある定義がいまだにない」と指摘し、「琉球の山川地理、歴史政治、社会民俗などに対する総合的研究を行う学問」との定義を提案しました。徐教授はさらに「琉球学は東アジアにおいて、中国学、韓国学、日本学と肩を並べられる独立性がある学問に位置付けるべき」と唱え、「客観的で公正な立場に立ち、学術交流と切磋琢磨を通じて、史実に対する共通認識の形成を求める」と主張しました。

沖縄大学地域研究所特別研究員の程天虹氏は、「琉球の歴史は大変豊かであり、しかも、その大半は中国と密に関わっている。しかし、多くの貴重な琉球の重要な歴史資料はすでに破壊された。いかにして真実の琉球の歴史を再構築するかが琉球学の重要な課題だ」という見方を示しました。

今回のシンポジウムは2022年4月に北京で開かれた「東アジアの国際関係における琉球学」に続いて、中国社会科学院東海問題研究センターと同科学院日本研究所が共同主催した国際学術シンポジウムでした。中国社会科学院、北京大学、福建師範大学、龍谷大学、沖縄国際大学など10余りの研究機関や大学から専門家や研究者が参加し、発表を行いました。(提供/CRI

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