ニュージーランドのキウイフルーツは中国から「盗んだ」もの?―仏メディア

Record China    2024年5月28日(火) 7時0分

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24日、仏RFIは「ニュージーランドのキウイフルーツはわが国原産の植物を盗んだもの」とする中国の主張に対する専門家の見解を紹介した。

2024年5月24日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、「ニュージーランドのキウイフルーツはわが国原産の植物を盗んだもの」とする中国の主張に対する専門家の見解を紹介した。

記事は、スイス・ジュネーブにある世界知的所有権機関(WIPO)で13〜24日にバイオパイラシー(生物海賊行為)の抑制を目的とした「知的財産権、遺伝資源および遺伝資源に関連する伝統的知識に関する条約」案の交渉最終段階に向けた加盟国会議を開いたと紹介。一方で、「生物の起源をどのように決定するかについて各国で意見が分かれており、合意に至るために解決すべき問題がなおも残っている」と伝えた。

記事によると、この件についてある中国メディアは「わが国もバイオパイラシーの被害者だ」と報じ、雲南省原産の「猕猴桃」がニュージーランドで少し改良されてキウイフルーツになり、ニュージーランドのキウイ輸出は国際市場の70%を占めているにもかかわらず原産国である中国は何も受け取っていないと主張した。

一方、台湾大学農学部の郭華仁(グオ・ホアレン)元教授は「中国原産作物の多くが他地域に移植されているのと同様、中国も他地域原産の作物を取り入れている。例えば、小麦、米などの作物は中国原産の植物ではない。ある国から他国への作物の移植はバイオパイラシーの範囲には含まれない」と述べた。

同氏はまた、キウイフルーツの問題について「確かに中国原産であり、1920年代からニュージーランドで栽培され、50年代から品種改良されながら大規模に商業販売されてきた」としつつ、原産地の中国で「猕猴桃」が盛んに栽培されなかったがゆえにニュージーランド産のキウイフルーツが中国に流通し、2000年代以降はニュージーランド産キウイフルーツが中国で栽培されるようになったこと、今や中国が世界最大のキウイフルーツ生産国であり、中国は十分に恩恵を受けていることを指摘した。

同氏は、バイオパイラシーの問題は往々にして薬用植物の間で発生するとし、アフリカにある特別な治療効果を持つ野生生物から欧米の製薬会社が医薬品として開発し売り出す際に、アフリカの原産地に住む部族には一切知らせず、金銭的な補償も行わないというケースを例として紹介。アフリカなどの発展途上地域が被害を受けることが多いため、その権利を守るために国際条約の締結が必要との認識を示した。

記事はこのほか「WIPOだけでは問題解決には至らない。途上国がバイオパイラシーに対処できるようになるには、まず生物資源の保護に関する自国の法整備を進める必要がある」と指摘する専門家もいると伝えている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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