韓国に出稼ぎに来るフィリピン人家政婦、「貧しかった韓国の女性と同様の立場」と主要紙

Record Korea    2024年6月1日(土) 7時10分

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韓国に家政婦として出稼ぎに来るフィリピン人女性が増えている。主要紙は「半世紀前の貧しかった韓国の女性と同様の立場にある」と指摘。温かく迎えるよう訴えた。資料写真。

韓国に家政婦として出稼ぎに来るフィリピン人女性が増えている。韓国紙は「フィリピン人女性は今、半世紀前の貧しかった韓国の女性と同様の立場にある」と指摘。「せっかく受け入れるのだから、韓比両国にとってプラスになれば」として、温かく迎えるよう訴えた。

朝鮮日報は論説委員名のコラムで「韓半島に『食母』(女中)」という職業が登場したのは、日帝強占期に日本から渡ってきた家族が朝鮮の女性を雇用したときからだ」と紹介。「1938年に日帝が調査した植民地・朝鮮の女性求職者は2万7000人だったが、このうち『食母』として就職した人は90%以上の2万5000人だった。それほど食母は代表的な女性の職業だったのだ。わずかではあるが、月給ももらえた」と続けた。

しかし、朝鮮戦争で多数の戦争孤児が発生すると、「飢えない程度に食べさせておけば、月給は渡さなくてもいい」職業へと転落。給与が1カ月分のたばこ代にもならないほど低く、1960年代にはソウルの家庭の52%が食母を雇っていたほどだった。

韓国が貧しかった1960年代、食母のほかに女性が選べた数少ない職業が女工とバスガイドだった。女性らが稼いだ金で家族は生活費をやりくりし、兄弟姉妹が勉強した。中には西ドイツ(当時)に看護師として渡る女性もいた。そのように粘り強い女性の中には、食母として生計を立てる一方で昼耕夜誦(貧しい生活をしながらも勉学に励むこと)で未来を切り開き、大学の総長になり、自己開発に取り組み画家として成功した人もいる。

1960年代までアジアでは日本の次に豊かで、1人当たりの国民所得が韓国の2倍だったフィリピンは、ここ半世紀の間に没落。全世界に低賃金労働者を200万人以上も送り出す立場になった。

フィリピン人女性が海外で就業する場合、主に家政婦として働く。欧州、中東、日本、シンガポール、香港などに進出している。香港で働けば、給料が最低賃金程度だったとしても、自国では医師の収入と同等だ。そのため、苦労すると分かっていても腹を決めて外国での家政婦という道を選ぶのだ。

韓国で家事や育児を支援するフィリピン人は8月ごろにやって来る。韓国では共働き夫婦の増加や高齢化によってヘルパーの需要が増えているが、国内の人材だけでは供給が追い付かないため、フィリピン人を受け入れることにした。すでに「フィリピンのおばさん」という呼び名まで付いている。

コラムは「一部の中東の国々ではフィリピン人の家政婦を虐待したり性的暴行を加えたりして国際的な非難を浴びた。韓国ではそのようなことがあってはならない。わずか半世紀前は、われわれが彼女たちの立場だったのだ」と強調。「この地にやって来るフィリピン人女性の苦労もいつか報われることを願う」と結んだ。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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