「スパイ」めぐり中英間で緊張高まる、MI6も登場、双方で摘発相次ぐ

Record China    2024年6月8日(土) 7時0分

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中国と英国の防諜機関が相手側のために情報集活動をしたなどとして「スパイ」を相次いで摘発。英MI6も登場し、両国間で緊張が高まっている。写真は天安門広場。

中国の防諜(ぼうちょう)機関である国家安全部は3日、中央政府で働いていた2人を英国の秘密情報部(MI6)に抱き込まれ情報収集活動を行ったとして摘発したと発表した。これに先立ち、ロンドン警視庁は5月、香港の情報機関のために働いていたとして3人を起訴。スパイ疑惑をめぐり中英間で緊張が高まっている。

英BBCなどによると、国家安全部は政府機関に勤務していた2人は夫婦で、金銭目的で英国に情報を提供したため、「断固たる措置」を講じたと説明した。夫の姓は「王」とされているが、夫婦のフルネームは明らかにされていない。

国家安全部によれば、夫は2015年に英国留学の機会を提供する中英の人的交流プログラムに申し込んだ。MI6は男性が重要な職責にあると判断して留学を許可し、英国に来てからは食事と旅行を提供して彼の弱点などを把握した。

MI6は大学同窓生を装って男性に接近し、高額の報酬を提供する機会を提案した。続けて男性に中央国家機関の内部情報を要求して報酬を高めていった。その後、MI6側は身分を明らかにして安全保障を約束しながら男性にスパイ訓練を受けさせ、彼の帰国後の活動を指揮した。公務員である妻も夫を通じて繰り返されたMI6の勧誘と誘惑に負け、英国のために情報収集活動をしたとされる。

一方、英国で国家安全保障法違反の罪などで5月13日に起訴されたのは、袁松彪駐ロンドン香港経済貿易庁行政官と男2人。2人は英国境警備隊と英移民執行局の職員で、いずれも英軍にいた経歴がある。3人は5月1日、英国内に住む香港反体制派の住居に侵入しようとしたという。

英国当局は4月22日にも元議会補佐官を含む2人の英国人男性が中国のため「機密法」に違反して「敵国」に不正に情報を提供したとして起訴した。

今年に入り欧州各国で中国のスパイが相次いで摘発されている。ドイツ当局は4月に中国当局と接触して敏感な軍事技術を中国に販売しようとした容疑で2人を逮捕した。欧州議会所属の極右議員の補佐官も中国のためにスパイ活動をした容疑で逮捕された。昨年12月には極右性向のベルギーの元上院議員が3年以上、中国のために活動した事実が暴露された。

中国と英国の情報戦は最近、英国が厳しい経済の回復に向け国際的なビジネス連係を促進しようとする時期に起きている。英フィナンシャル・タイムズ紙は「中英関係に暗雲が立ち込めている」と懸念した。

中国外交部の毛寧報道官は3日、「中国は法治国家であり関連機関が発表した(スパイ)事件は事実と証拠が確実だ。中国はいわゆる『中国スパイ』活動を捏造(ねつぞう)して中国のイメージに泥を塗ることに反対する」と主張した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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