画一的な美しい写真に飽きた?中国で「不細工」に見せるAIフィルターが人気―香港紙

Record China    2024年6月16日(日) 9時40分

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中国で人物の写真を実際よりも不細工に見せるAIフィルターが人気だ。この現象は「インフルエンサーの画一的な美しい写真に疲れ、飽きているため」との分析がある。写真は「不細工」に見せるAIフィルター。

中国で人物の写真を実際よりも「不細工」に見せる人工知能(AI)フィルターが旋風的な人気を呼んでいると、香港紙が報じた。中国のこうした現象について記事は「インフルエンサーの画一的な美しい写真に疲れ、飽きているため」と分析した。

韓国・中央日報が紹介した香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の記事によると、このAIフィルターは「レミニ(Remini)」という写真編集アプリに含まれている機能。このフィルターは人物の写真をストップモーション・クレイ・アニメーションの中のキャラクターのように変える。ストップモーション・クレイ・アニメーションとは英国の「ウォレスとグルミット」のようにクレイ人形で撮影したアニメをいう。

SCMPによると、このアプリは同機能の人気のため中国で4月30日から5月6日まで一日平均40万回のダウンロード回数を記録し、無料アプリ順位で1位になった。中国ソーシャルメディアに登場する関連の掲示物は1万3400件の「いいね」を得ている。

AIフィルターをかけた写真は見方によってはかわいく見えることもあるが、以前までの現象とは明確に異なる。これまで中国を含む多くの国で顔は小さく、目は大きく、脚は長く見えるようにする写真補正機能が人気だった。

米ワシントン・ポスト紙によると、ソーシャルメディアのスナップチャット(Snapchat)は昨年基準で毎日平均利用者2億5000万人が「ビューティー・フィルター」を使用して60億件の写真を加工した。スナップチャットのビューティー・フィルターは2015年に登場し、その後、この技術はインスタグラムTikTokなどにも拡散した。

一部ではこうしたビューティー・フィルターが容貌至上主義と整形手術をあおるという指摘もあった。米非営利組織コモンセンスメディアの研究責任者は「調査の結果、10代の少女のうち5人に1人はビューティー・フィルターが自身に否定的な影響を及ぼすと答えた」と述べ、「例えば容貌に対する固定観念や比較心理を刺激し、容貌に対する強迫観念を招く」とした。

ところが中国で人気のAIフィルターは、顔は実際より長く、目は小さく、鼻は大きく表現することができる。中国のある心理専門家は「過度にきれいに見えるフィルターで生成されたインフルエンサーの似た顔をあまりにも多く見てきた人たちが今では完ぺきな容貌よりも欠陥がある写真を好んでいる」と話した。

中国最大のSNS微博(ウェイボー)が分析した結果、このAIフィルター使用者の42%が「幸せ」、19%が「よい」という感情であることが明らかになった。ある利用者は「自分の顔がおかしく出てくるが、気持ちは楽になる」と語った。

SCMPは「おかしな写真が与えるヒーリング効果」と報道。 心理専門家は「クレイ写真の人気はストップモーション・アニメーションがそうであるように、ゆっくりとした生活への渇望が込められている側面もある」と診断した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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