Record China 2024年6月18日(火) 9時0分
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中国では、不動産や自動車、さらに高級酒や高級食材の価格下落が続いている。一方で、「貧乏人3点セット」などと呼ばれる庶民向け飲食品は値上げが止まらない状態だ。
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中国では、不動産や自動車、さらに高級酒や高級食材の価格下落が続いている。一方で、「貧乏人3点セット」などと呼ばれる庶民向け飲食品は値上げが止まらない状態だ。台湾メディアの中央通訊社などが報じた。
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中国大陸部では不況を背景に、一般の人々にはおいそれと買えない住宅や自家用車、さらに貴州マオタイ酒などの高級酒、高級スマートフォンとされるアイフォン、さらに牛肉などの価格下落が止まらず、何度も新安値を更新している。一方で、「窮人三件套(貧乏人3点セット)」と呼ばれるカップ麺(めん)、ザーサイ、コーラ類では値上げが相次いでいる。「貧乏人3点セット」とは、中国で太陽光発電関連、リチウムイオン電池、電気自動車(EV)が、経済をけん引する「新三様」、すなわち「新御三家」と言われるようになったことを皮肉って登場した言い方とされる。
5月中旬には、大手食品メーカーの康師傅の即席麺が「間もなく全面値上げになる」との情報が、SNSの人気検索の最上位に躍り出た。結局のところ、康師傅のカップ麺は従来の4.5元(約98円)から5元(約108円)かに、袋入り麺は2.8元(約61円)から3元(約65円)に値上げされた。同じく大手食品メーカーの統一企業も5月1日に、一部カップ麺の価格を引き上げていた。
インターネットでは「カップ麺は5元時代に突入」、「消費のアップグレードを強要された」といった書き込みが寄せられた。「消費のアップグレード」とは、中国では人々がよりよい商品を求めるようになったとして、盛んに使われるようになった言い回しだ。
「ごはんの神友」と呼ばれている涪陵ザーサイも1パックが3元(約65円)以上に値上げされた。同商品の過去14年間の価格上昇率は600%を超え、値上がり率で大都市の住宅価格に匹敵する唯一の商品とされる。コカ・コーラとペプシコーラの飲料大手2社も、5月末までに値上げを発表した。コカ・コーラの500ミリリットルペットボトル入り1本の希望小売価格は、それまでの3元から3.5元(約76円)に引き上げられた。値上がり率は16%を超えた。ペプシコーラも同様の商品の小売価格を3.5元に引き上げた。
経済学には「ギッフェン財」あるいは「ギッフェンパラドックス」という考え方がある。19世紀の英国の経済学者であるロバート・ギッフェンが唱えたもので、貧困者の生活がさらに苦しくなれば、当時はパンよりも安価だったジャガイモを多く食べるようになる。このことで、ジャガイモへの需要が増えて価格が上昇するといった現象や、その対象となる商品を指す。
中国大陸部における「貧乏人3点セット」をめぐる状況は、まさに「ギッフェン財」現象との指摘がある。カップ麺が値上がりしたとしても、他と比較すれば空腹を安価に解消できる商品ならば、財力に乏しい人は結局のところ買わざるをえないことになる。(翻訳・編集/如月隼人)
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