呉監督:最初にプロデューサーから原作を渡されました。CODA(「Children of Deaf Adults」の略で、聴覚障がい者の親に育てられている子や、育てられた人)の方が書かれた自伝的エッセイで、確かに特殊な環境で育った人の人生ではあるけれど、読み進んでいって、決して特別な物語ではなく、多くの人の心の中に存在する親への苦々しい感情が詰まった、非常に普遍的な作品にできるのではないかと受け取りました。また、私自身の姪(めい)が少し前に聴力を失い、手話を学ぶ姿を見ていて、聞こえる世界と、聞こえない世界について身近に考えるようになっていましたので、二つの世界をより深く理解したいなと思い、オファーをお受けすることにしました。
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