舞台「千と千尋の神隠し」ロンドン公演に感動、日本アニメの強力な広がり―香港メディア

Record China    2024年7月1日(月) 23時0分

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28日、香港メディアの橙新聞は、舞台「千と千尋の神隠し」のロンドン公演について紹介する記事を掲載した。写真は舞台「千と千尋の神隠し」。

2024年6月28日、香港メディアの橙新聞は、舞台「千と千尋(ちひろ)の神隠し」のロンドン公演について紹介する記事を掲載した。

記事はまず、「ロンドンで生活したり旅行したりする際、ミュージカルを見に行きたいと思うことも多いだろう。『オペラ座の怪人』や『レ・ミゼラブル』、『ライオン・キング』などの有名な作品は、誰もが知っている。しかし、これらの作品に加えて、常に新しい作品を求める気持ちもある。そんな中、高い人気と影響力を活かして、英国に日本のアニメ作品が持ち込みまれた。最近、特に人気を博しているのが『千と千尋の神隠し』だ」と述べた。

続けて、「『千と千尋の神隠し』はスタジオジブリの名作として多くの人になじみがある。簡単に言えば、主人公の千尋とその両親が八百万の神々を迎える異世界の温泉宿『油屋』に迷い込む。千尋は豚に変えられた両親を救おうとし、湯婆婆(ゆばあば)と契約を結んで油屋で働き始める。しかしその結果、自分の名前を失い、『千(せん)』と呼ばれるようになり、次第に個人の意思も失いかけるが、千尋は白龍(はくりゅう)の助けを借りて、この危機に立ち向かう」と説明した。

そして、「テレビドラマや映画に比べて、アニメ作品を舞台にするのは非常に難しい。会場の制約があり、舞台装置を大幅に変更するのが難しい上、全て生で演技が行われる。そのため、舞台『千と千尋の神隠し』が原作と異なるのではと思うかもしれないが、そんなことはない。同舞台は、すべてのシーンが忠実に再現されており、アニメ版を見たことがない観客や原作のファンも、同舞台を見れば共通の物語を共有することができるだろう」と論じた。

その上で、「筆者は、舞台がこれほどまでにアニメのストーリーを再現できるとは思っていなかった。劇団は『黒子』(舞台上で黒い衣装を着て道具を操作するスタッフ)を多用して、さまざまな舞台効果を生み出していた。黒子を使った演技は珍しいことではないが、同舞台では、黒子がクリーム色の衣装を着て、木目調の舞台装置に溶け込むようになっていた」と述べた。

また、「同舞台のもう一つの魅力は、キャストの豪華さだ。千尋役の1人は日本の女優・橋本環奈が演じており、筆者が観た公演では、ダブルキャストの日本の女優・白石萌音が演じていた。彼女の演技は素晴らしく、千尋の小さな動作や表情を見事に再現していた。彼女が千尋というキャラクターを深く理解するために、どれだけ努力したかが伝わってきた。リン役の妃海風は、元宝塚歌劇団のメンバーらしく、気品と経験に満ちており、見事な助演を見せてくれた。湯婆婆役の夏木マリはアニメ版の湯婆婆の声を担当していたため、その声に懐かしさを感じる観客も多かっただろう。カオナシ役の山野光は、舞台上で感情をダンスで表現し、とても感動した。本当に見事な演技だった」と評した。

さらに、「日本のアニメが英国に広まる中で、同舞台は他の舞台作品と一線を画す存在だ。物語の背景やキャラクター、和服や日本語での台詞を通じて、英国の観客に異国情緒を感じさせる。劇団が物語を忠実に再現するだけでなく、より多くの日本要素が取り入れられていた。歌唱部分は少ないものの、原作にはない歌舞伎風の踊りが組み込まれており、日本の雰囲気が一層強調されている」と紹介した。

記事は、「同舞台はチケットの売れ行きも良好で、多くの観客を集めている。筆者が見た公演では、約9割の席が埋まっており、若い観客や日本人の観客も見受けられた。新世代の観客を引きつけるためには、興味深く話題性のある新しい作品が不可欠だ。同舞台は上演期間が限られているほか、とくに日本のアニメが欧米で流行している今、若者を劇場に引きつける力がある」と言及した。

最後に、「宮崎駿氏の名作が舞台に改編されてロンドンで上演されるのは初めてではない。スタジオジブリのもう一つの名作『となりのトトロ』も2年前に上演され、来年3月に再演される予定だ。『千と千尋の神隠し』や『となりのトトロ』は、約2時間のアニメ作品であるため、舞台に改編しやすく、技術的な問題さえ解決すれば、原作を忠実に再現できる可能性は非常に高い。日本のアニメの舞台化には多様なアプローチがあり、例えば、『DEATH NOTE』や『四月は君の嘘』など、長編連載の作品も劇団の改編対象となった。このように、日本のアニメの舞台化にはすでに確立された豊富な経験があるため、多くの劇団が自分たちの作品もロンドンで上演したいと考えている。ロンドンのウエストエンド(地区名)のスタイルに少し合わせられれば、英国でも良い成果を上げることができるだろう」とした。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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