2014年9月2日、欧州を代表する歴史学者であるジェレミー・ブラック英国エクセター大学教授は日本記者クラブで講演し、「世界で中国のパワーが増大し、20世紀にソ連に当てはめられていた地政学的な概念が中国に当てはめられるようになった。今や中国は大陸における大国であり、海洋でもパワーを獲得しようとしている」と語った。

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その上で、「日本は中国が海洋大国としてのプレゼンスを阻害しようとしているが、地政学上、（日中は）近距離であり、互いに十分距離を取る余裕がない。米中間と異なり、日本が中国の状況に対抗する選択肢はほとんど与えられていない。北朝鮮の驚異にも取り囲まれている」と指摘した。

また「20世紀に世界の警察官の役割を務めていた米国のパワーは相対的に衰退している」と分析。安全保障はオーストラリア、カナダなど自由主義や自由貿易などの面で同じ価値観を持つ国と連携していく必要がある」と述べた。

ブラック氏は軍事、戦略、国際関係に関する100冊以上の著書を刊行、現代の国際情勢を読み解く分析力に定評がある。（取材・編集/SK）