中国の仇日民族主義と胡友平さんの勇気ある行動―仏メディア

Record China    2024年7月1日(月) 16時0分

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29日、仏RFIは江蘇省蘇州市で襲撃された日本人を助けようとして死亡した中国人女性に対する中国国内の反応を伝えた。東京都千代田区にある「アウトサイダー中文館(中国名:局外人書店)」で行われた追悼会。

2024年6月29日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、江蘇省蘇州市のバスで日本人が襲撃されて助けようとした中国人女性が死亡した事件に対する中国国内の反応から、中国の対日ヘイト主義が垣間見えるとする記事を掲載した。

記事は、同市のバス停で24日に日本人女性とその子どもが刃物で襲われ負傷し、助けようとした中国人女性の胡友平(フー・ヨウピン)さん(55)が刺されて死亡したと紹介。犯人の中国人の男はその場で逮捕されたものの、中国当局は襲撃の動機など詳細を明らかにしておらず、外交部報道官も「偶発的なもの」で日本人を狙った攻撃ではないと説明したことを伝えた。

また、政府系メディアは事件発生から数日間、犯人や現場の詳細についてタイムリーな情報を提供することも、勇気ある行動で犠牲となった胡さんへの同情や哀悼の意を表明することもなかったと指摘。胡さんの死亡が報じられたのは事件から数日後で、人民日報が28日に胡さんを称賛し哀悼する記事をようやく掲載すると、中国のSNS上では大量の追悼の声が上がり、 事件に対する世論の認識は「中国人が日本人の母子を刺殺(実際は刺傷)」から「中国人が勇敢に日本人の母子を救った」へと逆転したと紹介している。

さらに、中国のネット上では、胡さんの勇敢さを称賛する声の一方で、深刻な反日感情を反映したコメントも多数見られ、中には胡さんを「売国奴」とののしる者まで出現したほか、日本人学校の校門で機会をうかがう大量の模倣犯も出てきたと紹介。普段はネット上にまん延する多くの陰謀論やうわさを厳しく管理する中国当局も、公然と拡散される日本人に対するヘイトスピーチには見て見ぬふりをしているした。

記事は、在中国日本大使館が28日午前10時ごろに公式SNSアカウントで国旗を半旗にする動画を公開し、「日本人母子を救う勇気、中国人女性が死亡」というタグを付けたと紹介。一部のアナリストからは「中国側が今回の事件を軽視しているのとは異なり、日本大使館の行動は中国人の勇気と優しさをまだ信じていることを明確に示している」との見解も出ていると伝えた。

また、「実際には中国当局と中国国民は異なる感情を持っている」とし、蘇州市公安局が事件を公表していなかった27日夜に天津市のランドマークである天塔では胡有平さんを偲んでライトアップが行われたほか、無数の観光客や市民が献花を行ったと紹介。事件現場である蘇州市内のバス停では地元住民が続々と花束を捧げるも公安当局が没収しており、市民からは「蘇州の恥だ」と嘆く声も聞かれたと伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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