蘇州スクールバス襲撃事件、在日中国人が亡くなった中国人女性を悼む

Record China    2024年7月2日(火) 12時0分

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日本人母子を襲撃した犯人を制止しようとして亡くなった中国人女性、胡友平さんを悼む追悼会が「アウトサイダー中文館」で開かれた。写真はアウトサイダー中文館提供。

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6月の最終日、日本人母子を襲撃した犯人を制止しようとして亡くなった中国人女性、胡友平(ホー・ヨウピン)さんを悼む追悼会が東京・神保町にある「アウトサイダー中文館(中国名:局外人書店)」で開かれ、100人を超える在日中国人が会場に足を運んで胡さんの冥福を祈った。

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6月24日、中国江蘇省蘇州市内のバス停で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が男に襲われ、2人を助けようとして重傷を負った54歳の胡さんはその2日後に息を引き取った。刃物を持ったこの50代の男は現場で拘束されたが、中国当局は男の犯行目的をまだ明らかにしていない。中国外交部の報道官は「偶発的な事件」で、日本人を狙った攻撃ではないとしている。これは、米国人4人が襲われた吉林省での事件に対する外交部報道官の定義と同じだ。


蘇州での事件発生後、多くの在日中国人がSNSを通じて「中日の政治関係が悪化するにつれて、とりわけ台湾有事と原発処理水の問題における対立で、両国の国民感情が影響を受けている」との声を上げた。

ここ数年、中国のソーシャルメディアには大量の「日本人を殴る」寸劇が登場し、抖音や快手を中心とするショート動画プラットフォームで人気を集めている。筋立ては「中国の最下層の労働者を侮辱する在中日本人が中国人の反撃に遭う」というものが一般的だ。

また、日本人学校の存在も大きな話題となっている。日本人学校は中国の法律に基づいて設立されたものだが、中国の動画配信者にかかると「新時代の租界」「中国に浸透するスパイを養成する場」となる。


これらの悪意ある極端な言論は往々にして「愛国」を装っており、一部の人々の間で賛同とやみくもな追随を引き起こす。こうした社会背景の下、江蘇省南京市内の商業施設は「『旭日旗』のデザインが登場した」との指摘を受け、日本でも靖国神社での落書き事件が起きた。騒ぎや事件の続出を受けて「この社会の雰囲気が変わらなければより暴力的な事件が発生する」という声さえ上がる中で、蘇州での襲撃事件が起きてしまった。

事件発生後、中国の大手プラットフォームは反日言論の規制に一斉に動いた。そのうちの一つである騰訊(テンセント)の関連部門に政府の指示があったかどうかの問い合わせを行ったが、これまでのところ回答は得られていない。


胡さんの追悼会を開催したアウトサイダー中文館のオーナー、趙国君(ジャオ・グゥオジュン)氏は「一部の過激な言論が削除されたとしても、過激な思想を生む土壌はなくなっていない。問題そのものを徹底的に解決することはできず、一時的なバランス取りに過ぎない」との見方を示す。だが、会に出席した他の在日中国人からは「削除しないよりはいい」との声も上がる。プラットフォーム管理の規範化、法的抑止力の強化、心理レベルでの教育など、悪意ある極端な言論を一掃するために今後多くのことに取り組む必要がある。今回の事件を通じて、「愛国」の旗を掲げる極端な言論や行動が一歩進むごとにより深刻な害がもたらされるということへの理解が広がることを願う。(取材/YF・翻訳/野谷

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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