蘇州の日本人母子襲撃事件が日本人に与えたプラスとマイナスの衝撃―仏メディア

Record China    2024年7月4日(木) 14時0分

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仏国際放送局RFI中国語版は3日、「蘇州の日本人襲撃事件はプラスとマイナスの両面から日本人の対中感情に衝撃を与えた」とする記事を掲載した。写真は蘇州駅。

仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は3日、「蘇州の日本人襲撃事件はプラスとマイナスの両面から日本人の対中感情に衝撃を与えた」とする記事を掲載した。

記事は、6月24日に江蘇省蘇州市で発生した日本人母子襲撃事件で日本人がまず感じたのは「大きな不安」だったと説明。「世界の日本企業拠点数を見ると、中国が1位の3万1324社で、2位の米国より2万社以上多い」とした上で、「今回の事件で浮上した安全問題は日本人を非常に不安にさせており、現地で安全に働き、生活できるかどうかへの懸念を強めている」と述べた。

続けて、蘇州での事件からしばらくした後、今年4月にも日本人男性が中国人とみられる男に襲撃され軽傷を負っていたことが新たに明らかになったと言及。「中国外交部の報道官は蘇州の事件について『偶発的』で『どの国でも起こり得る』と強調したものの、日本人に対する攻撃は偶然ではないと思っている日本人が多数を占めている」と論じた。

記事はその背景として、中国の動画プラットフォームに相次いでデマが投稿されていたことを挙げた。2023年の春ごろには、上海日本人学校とされる場所で行われた大会で、日本人の小学生が日本語で宣誓する様子に、中国語で「上海は私たちのもの、浙江は私たちのもの、中国も間もなく私たちのものになる」という事実と異なる字幕が付けられたという。

このほかにも、日本人学校に関するネガティブなデマは山のように存在する。蘇州での事件を受け、新浪微博(ウェイボー)、騰訊(テンセント)、網易(ネットイース)、抖音(ドウイン)、百度(バイドゥ)など中国の大手プラットフォームが過激な反日言論の取り締まりを強化するに至った。

記事は一方で、プラス面での衝撃として襲撃事件で日本人母子らを身を挺してかばい死亡した中国人女性・胡友平(フー・ヨウピン)さんに言及した。胡さんの死亡を受け、在中国日本国大使館が哀悼の意を表す半旗を掲げたこと、金杉憲治駐中国大使が「勇気ある行動に改めて敬意を表し、心からお悔やみ申し上げる」と述べたこと、上川陽子外相も「ご逝去の報に深い悲しみを禁じ得ない。勇気ある行動に改めて深い感謝と敬意を表するとともに、心からのお悔やみを申し上げる」と述べたことを紹介。このほかにも、多数の政治家や著名人、一般人から胡さんへの感謝と哀悼の意を表す投稿があったとした。

そして、今回の蘇州での襲撃事件について「多くの日本人に(中国での)仕事や生活上の懸念を抱かせることになった一方、胡さんの行動が無数の日本人を感動させ、善良な中国人の姿を示して見せた」と評し、「日中の国民感情は、破壊するのは簡単だが、守り育てていくのは難しく、時に貴重な命が犠牲になることもある。自らのトラフィックと利益のために手段をいとわずデマや中傷を流し、両国感情を破壊するインフルエンサーたちは、胡さんの国を越えた崇高な献身精神と向き合い、胸に手を当てて自問し、深い反省と懺悔(ざんげ)をすべきである」と結んだ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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