中国で孤児の放浪扱った映画公開が突如中止に―華字メディア

anomado    2024年7月7日(日) 21時0分

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4日、ラジオ・フリー・アジア(RFA)は、中国で間もなく公開予定だった孤児の放浪を描いた映画「野孩子」が突然公開中止になったと報じた。

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2024年7月4日、ラジオ・フリー・アジア(RFA)は、中国で間もなく公開予定だった孤児の放浪を描いた映画「野孩子」が突然公開中止になったと報じた。

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記事は、中国で今年の夏休み映画として10日に全国公開予定だった4作品のうち「野孩子」について、3日夕方に「ポストプロダクションの進行上の問題」を理由に一般上映を中止する声明が発表されたと紹介した。

そして「野孩子」は、社会的困難を抱えた子どもたちに焦点を当てた実話に基づく作品で、窃盗を生業とする孤児の放浪の旅と温かい保護、救済のストーリーを描いていると説明。前売り券の売り上げは550万枚に達し、興行収入は3億5000万〜5億元に上るとの予測が出るなど注目を集めていたと伝えた。

その上で、「野孩子」が直前に公開中止となった背景について、オーストラリア在住の作家、袁紅冰(ユアン・ホンビン)氏が「中国のイデオロギーの最高指導層が上映にストップをかけたのは、この映画に『負のエネルギー』があり、若者の活躍を促すという現在の政策路線に合致せず、中国の現実を否定的な方向へとミスリードしていると考えたからだ」と分析したことを伝えた。

また、中国本土の若者の生活環境に注目している台湾の学者、曽建元(ツン・ジエンユアン)氏が「この映画は中国社会の底辺にいる若者の実情を提示し、人々の関心を喚起しており、大多数の民意と一致している」と指摘した上で「国が進歩するためには、社会による気づきが必要。この映画は人類への配慮を表現しており、見た人が思いやりを持ち、周囲の人に配慮する方法を知ることを願っている。 これは市民社会で必要とされていることだ」と述べたことを紹介している。


記事は、この件が中国のSNS微博でも注目を集め、4日に一時トレンドワード1位を獲得したと紹介。ネットユーザーからは「なぜ良い映画が突然理由もなく上映中止になるのか」という嘆きの声が聞かれ、「きっとなにか別の理由があるはずだ」「作品は社会底辺の生活を暴露する側面もあるので、上層部は不快に感じたのだろう」といった意見もあったと伝えた。

RFAの記事を転載した、米国拠点の華字サイト文学城のページには「タイトルを見た瞬間、これはいい題材だと思った。日韓の監督の手にかかれば賞を獲得できたかもしれない。中国では抗日ドラマしか作れないんだよな」「中国は何かを称えたり、幸福の中での生活を描いたりしかできず、世界の他の場所が苦しんでいることしか報道したり表現したりできない。それが中国政府の一貫したやり方なのだ」といった感想が寄せられている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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