台湾の女性ファッション誌・Bella儂儂はこのほど、人気アニメ「鬼滅の刃」が成功した理由について考察する記事を掲載した。

記事はまず、「アニメ『鬼滅の刃』柱稽古編の完結が大きな話題を呼んだ。当初は単なる過渡期のアニメシーズンかと思われていたが、物語は最初から最後まで綿密に構成されており、次の最終章『無限城編』への期待を高める完璧な布石となった。この作品はなぜここまで成功したのだろうか？いくつもの奇跡を生み出した理由を紹介していく」とした。

その上で、一つ目の成功要素として「和洋折衷の歴史的要素」を挙げた。「同作品は時代背景が日本の20世紀初頭、大正時代に設定されており、西洋化の過程にあった当時の日本が描かれている。鬼殺隊の制服は、上半身がプロイセン風の立襟軍装、下半身が和式の袴と足袋といったミックススタイルで、竈門炭治郎（かまどたんじろう）や我妻善逸（あがつまぜんいつ）、富岡義勇（とみおかぎゆう）などのキャラクターは、それぞれの個性を表す羽織を着用している。物語の中では、伝統と工業社会の融合が見られ、例えば『無限列車編』では蒸気機関車が舞台となっていた。登場キャラクターたちの武器もさまざまで、風格のある日本刀から、不死川玄弥（しなずがわげんや）のような銃を使うキャラクターまでいる。このような和洋折衷の大正ロマンが『鬼滅の刃』の魅力の一つといえるだろう」と論じた。

二つ目の成功要素は「魅力的なキャラクター」であるとし、「炭治郎は温かく真っすぐな性格でありながら、悲惨な過去から鬼に対する強い執念を持っている。善逸は普段は臆病だが、眠ると驚異的な力を発揮する。嘴平伊之助（はしびらいのすけ）は野性的で粗野だが、実は美男子という一面がある。竈門禰豆子（かまどねずこ）はかわいらしくおとなしいが、兄を守るためには恐ろしいほどの戦闘力を発揮する。また、柱や神崎アオイ（かんざきあおい）、村田（むらた）など、すべてのキャラクターにそれぞれの魅力がある」と評した。

三つ目の成功要因は「シンプルな戦闘方法」だとし、「『鬼滅の刃』の呼吸法は、『週刊少年ジャンプ』の他の名作である『HUNTER×HUNTER』の念能力、『ONE PEACE』の悪魔の実や覇気、『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドなどに比べるとシンプルだ。『日の呼吸』を基にさまざまな流派や透き通る世界、赫刀（かくとう）、痣（あざ）、などの設定が存在し、視聴者は純粋に熱い戦闘シーンに没頭することができる」と言及した。

四つ目の成功要因は「予算を大量に投入した戦闘シーン」だとし、「『竈門炭治郎 立志編』第19話での炭治郎のヒノカミ神楽や『無限列車編』での炎柱と上弦の参の死闘は、その年の話題をさらった。さらに『遊郭編』の音柱と共に上弦の陸の兄妹を討つシーンも見逃せない。そして『柱稽古編』の最後では、産屋敷耀哉（うぶやしきかがや）と無惨の対峙から全柱が無限城に突入するまで、大スクリーンで見る価値のあるシーンが続いた」と説明した。

五つ目の成功要因は「壮大なフィナーレ」だとし、「現在、『鬼滅の刃』の最終章『無限城編』が映画3部作として制作されることが公式に発表されている。『無限城編』では、鬼殺隊員たちが無限城で上弦を含む鬼たちと戦い、鬼舞辻無惨（きぶつじむざん）を倒すことを目的としている。この最後の大決戦は、漫画では約70話にわたる内容であり、映画ではキャラクターの回想シーンなどが短縮される可能性があると予想するが、立体的な無限城と迫力ある戦闘シーンを大スクリーンで体験できるのが楽しみだ」と結んだ。（翻訳・編集/岩田）