日本で生成AIの利用が進まない理由―中国メディア

Record China    2024年7月13日(土) 8時0分

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10日、第一財経は、欧米に比べて日本では生成AIの普及が進んでいないことが日本政府の報告により明らかになったとし、専門家の分析を紹介する記事を掲載した。

2024年7月10日、中国メディアの第一財経は、欧米に比べて日本では生成AIの普及が進んでいないことが日本政府の報告により明らかになったとし、専門家の分析を紹介する記事を掲載した。

記事は、日本政府が5日に発表した「情報通信に関する現状報告」(情報通信白書)で、日本における個人の生成AI利用率は9.1%にとどまり中国の56.3%、米国の46.3%、英国の39.8%、ドイツの34.6%と大きな開きがあるほか、企業での利用率も46.8%と米国(84.7%)や中国(84.4%)、ドイツ(72.7%)より低いことが明らかになったと伝えた。

また、調査に参加した人のうち、生成AIを「とても使いたい」「使いたいと考えている」と回答した割合は7割に達しており、総務省によるとAI生成利用には「潜在的な需要」がある一方、4割以上が「使い方を知らない」ために生成AIを利用しておらず、4割近くが「生活に必要ない」と認識していることもわかったと紹介した。さらに、生成AIをすでに利用している人の具体的な利用シーンは「質問」が8.3%と最も多く、「コンテンツの精緻化・翻訳」が5.9%で続いたほか、生成AIがもたらす影響については「新しいアイデア」「業務の効率化」「人手不足の解消」と回答した人が7割を超える一方、「情報漏えいなどのセキュリティーリスクが拡大する」「著作権侵害の可能性が高まる」といった悪影響を挙げる人も7割を占めたとしている。

その上で、総務省の報告では日本企業が生成AIに対して「慎重」であり、海外企業が顧客へのサービス提供など幅広い業務に活用しているのに対して国内企業は会議の日程調整など一部の社内調整にのみ用いる傾向があると指摘し、政府が生成AIの導入を促進するためには、明確なルールとガイドラインを確立してリスクを減らし、個人、企業が安心して利用できる環境を構築することが重要との見解を示していると伝えた。

記事は、日本におけるAIの発展と関連する法的保護問題に注目している上海交通大学日本研究センターの朱翹楚(ジュー・チアオチュー)氏が「生成AIに対する日米欧の姿勢には明らかな温度差がある。強力な監督管理の態度で臨む欧州に対し、日米は『ソフトロー・ガバナンス』方式で人間を中心としたAI技術の発展に導こうとしている」と分析したことを紹介した。

また、朱氏が日本では1960年代から国の行政処理業務にコンピューターを使い始めるなど比較的早い段階から情報技術の導入を始めた一方で、コンピューターによるデータ処理を規制する地方条例を設けたり、70年代からは個人情報保護の制度化に関する大規模な議論が始まったりして、80年代以降は個人情報漏えい問題に対して総じて敏感かつ保守的な姿勢が鮮明になったと指摘したほか、2000年前後には民間企業による個人情報の不適切な取り扱いが絶え間なく発生したことで国民の個人情報保護意識が一層強まったと紹介し、このような状況が生成AIの受け入れに対して日本社会が「恐る恐る」な姿勢を崩せない根底にあると論じたことを伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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