中国は米国を抜いて世界一の経済大国になれるのか―独メディア

Record China    2024年7月16日(火) 5時0分

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13日、独ドイチェ・ヴェレは国政運営の重要な会議を控えた中国について「米国を抜いて世界一になれるのか」と題した記事を掲載した。写真は天安門。

2024年7月13日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、国政運営の重要な会議を控えた中国について「米国を抜いて世界一になれるのか」と題した記事を掲載した。

記事は、世界一の経済大国を目指す中国が現在、新型コロナの影響や不動産危機、さらには高齢化の加速といった試練を抱えており、15日に始まる中国共産党の重要会議「三中全会」では経済成長の加速が焦点になるとした。

そして、債務の負担や生産力の鈍化、低消費、高齢化といった構造上の問題や、台湾を巡る地政学的な緊張、西側との貿易問題などにより中国経済の成長が鈍化する中で「中国が世界経済の頂点に立つ見込みが永遠にない、あるいは遅れる」という「ピーク・チャイナ」という用語が出現したと紹介。これに対して中国人民大学重陽金融研究員の王文(ワン・ウェン)院長が「ピーク・チャイナは誤認識。21年の経済規模はすでに米国の80%に迫り、内部の安定と外部の平和が保てれば中国経済は速やかに米国を抜く」と反論する一方で、他の経済学者からは「すでに数年前からピーク・チャイナの兆候は見えていた」との指摘が出ていると伝えた。

その上で、カナダ・トロント大学教授で経済学が専門のブラント氏が「中国経済は2000年代初め、生産率の高さから急速な経済成長を実現した。しかし、08年の金融危機後に生産率の成長は完全に消え去り、今の生産率の成長ペースは08年以前の4分の1にまで低下している」との認識を示したことを紹介した。

また、中国経済のオブザーバーが「三中全会」で短期的な逆風に対処するための大規模な景気刺激策を打ち出すことを期待していたものの、現状では年金制度の充実や民間企業の振興を後押ししつつ、先端技術やグリーンテックなど特定の分野の成長に焦点を当てるだろうとの認識に至っていると紹介。習近平(シー・ジンピン)政権では企業の国有化を通じてより中央集権的な経済へと向かっており、2000年代後半には経済規模の3分の2近かった民間部門の割合が、23年前半には40%まで落ち込み、国有部門官民混合所有制の事業体も拡大していると指摘した上で、ブレント氏が「中国の経済発展はこれまで享受してきた自律性、自由、インセンティブ、そして民間部門がもたらした多大なダイナミズムから恩恵を受けてきた。現在の指導者の下では中国経済が直面している問題を逆転させることはより難しくなるだろう」と論じたことを伝えた。

記事は、現在の状況から中国経済について「失われた30年」と称される日本経済と同じ道をたどるのではないかという懸念が高まっているとする一方で、中国の専門家からは「中国の発展は過去45年間、多くの経済問題に直面してきた。30年前の経済不振、20年前の高債務、10年前の不動産暴落に比べれば、現在の問題はそれほど深刻ではない」という強気の意見が聞かれたことを併せて紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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