中国の若者の間で流行する推しのグッズ購入、日本のアニメのポップアップストアも大にぎわい

人民網日本語版    2024年7月30日(火) 6時30分

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中国の若者の間で推しのグッズ購入が流行している。

「38度という厳しい暑さも、『私の推し』のグッズを必ず手に入れるという決意を阻むことはできない」。アニメーション映画「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」が今、中国で絶賛上映中となっており、浙江省杭州市のショッピングモール「工聯CC」の3階に設置されているポップアップストアはオリジナルグッズを買いに来た若者で大にぎわいとなっている。中国新聞網が伝えた。

5月から「公式グッズショップが古いショッピングセンターの救世主に」といった話題が中国ネット上で検索のトレンド入りをし始め、「グッズ購入」の注目度が高まっていった。工聯CCは杭州で最も古いショッピングモールの一つで、今では「二次元(2D画像で描いたアニメ・漫画・ゲームなどの総称)」などのファンが集まる場所となっている。推しのグッズをたくさん付けた「痛バッグ」を背負った夏休み中の大学生・小宇さんは、朝早くに地下鉄に乗って工聯CCにやって来たといい、「ポップアップストアがここに設置されているのはとっくに知っていた。時間ができたので、すぐにグッズを買いに来た。来るのが数日遅かったみたいで、売り切れたグッズもあって残念」と話した。

「グッズ」は中国の若者の間で音訳されて「谷子(グーズ)」と呼ばれている。もともとそれは「二次元」作品のグッズを指していたものの、今ではバッジやキャラクターが描かれたトレーディング色紙、ぬいぐるみ、アクリルスタンドなど、小さくて軽いグッズ全てを指すようになった。そして、こうしたグッズを販売する店は「谷店」、グッズを購入してコレクションすることは「吃谷」と呼ばれているほか、「グッズ」をたくさんつけたリュックは「痛包」と呼ばれている。小宇さんが話した「私の推し」というのは、 人に薦めたいと思うほどに好感を持っているキャラクターのことだ。

20歳前後の若者に「推しの二次元キャラクターや作品は?」と聞くと、「ついていけない」と感じるほどたくさんの情報を教えてくれるだろう。アニメを見るだけでなく、いろんなゲームで遊ぶという若者も多い。こうした若者の間では、公式グッズを購入することが習慣化しており、彼らにとって、グッズ購入は何も目新しいことではない。そのため、誰が「グッズ」のことを「谷子」と呼ぶようになり、誰が「谷店」や「吃谷」といったグッズ関連の言葉を言い出して、誰が「グッズ」の範囲を小さなおもちゃにまで広げたのかは、定かではない。ただ、何事にも始めがあるもので、多くの二次元ユーザーは「2023年下半期から今年初め頃から、周りの遊び友達もグッズを購入し始めた。はまったのは、素敵なグッズを見て、自分も実際に手に入れたいと思う欲求が刺激を受けたというパターンが多い」と話す。

商品棚を見ると、あるキャラクターのホログラフィックレアカードが1枚39元(約820円)、公式ハンドタオルが1枚119元(約2500円)で売られていた。ポップアップストアがオープンして以来、「不当に高い」という声も多いものの、列に並んで購入する人の姿も数多く見られた。

ポップアップストアのスタッフは、「販売しているのは全て日本のアニメのグッズ。他のショップで販売されている中国アニメのグッズと比べると、確かにかなり高い。でも、中国国内では手に入らないものばかり」と説明し、「一部の商品はすでに売り切れた」という。

「00後(2000年以降生まれ)」の大学生・阿澄さんは半年前からコスプレを始め、「杭州のコスプレイヤーは大体みんな工聯CCのグッズショップに来ている。現実の生活では、仕事や勉強が忙しくて、ストレスが大きい。グッズを購入して自分の推しのキャラクターを身近に置くことで、元気をもらえる」とした。

杭州工聯CCの中国のアニメ「天官賜福」や「羅小黒戦記」などのグッズを販売しているショップ「潮玩星球」の責任者もグッズの大ファンで、「オープンしてから約1年の間に、グッズショップの爆発的成長を目の当たりにした。グッズを購入する若者が今、どんどん増えている。わざわざ遠くからくる客もいる」と話す。

「グッズ購入」がブームとなるにつれて、中国の多くの都市のグッズショップが商業施設や商業エリアに新しい風を吹き込み、新しい観光地となっている場所さえある。例えば、上海市内の道路・南京東路は、2023年にアニメ専門モール「上海百聯ZX創趣場」がオープンしたことで、「中国版秋葉原」となっている。また、湖北省武漢市の「X118」や江蘇省南京市の「水游城」なども、「二次元」ファンの間で一度は行ってみたい「メッカ」となっている。工聯CCがある杭州湖浜商業圏を昨年訪れた人の数は延べ4000万人以上、売上高は165億9000万元(約3484億円)に達した。

サブカルチャーが大衆化し、「二次元」関連商品市場が今、ブルーオーシャンになっている。市場調査会社・艾瑞諮詢(iResearch)の統計によると、2023年の中国の「二次元」業界は前年比27.6%増の2219億元(約4兆6600億円)規模にまで拡大した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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