中国企業の洋上風力発電設備建設めぐり、ドイツ国内で激しい議論―独メディア

Record China    2024年8月1日(木) 8時0分

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30日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ドイツで中国製風力発電設備の設置是非をめぐって激しい議論が起きていると報じた。

2024年7月30日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ドイツで中国製風力発電設備の設置是非をめぐって激しい議論が起きていると報じた。

記事は「中国企業がどれだけ政府とつながっているかをはっきり理解することはほぼ不可能であるため、中国企業との提携における憂慮は避けられない。センシティブなインフラに関係するソフト・ハードウェアを導入する際にはなおのことである」とした上で、ドイツの投資会社Luxcaraが中国企業の明陽風能に対してドイツ近海の洋上風力発電所建設計画を委託する件をめぐり、おのずと激しい議論が繰り広げられていると伝えた。

そして、種々の議論がある中であえて中国企業を選んだ理由についてLuxcaraのシニアコンサルタントが「決め手は発電効率にある。各社の資料を全面的に精査した結果、明陽が唯一28年までに1万8500キロワットの発電設備を提供できると判断した」とコメントしたことを紹介。欧州にもデンマークのVesasとドイツ・スペイン合弁企業Gamesaといった洋上発電設備建設大手企業が存在するものの、急速に増加する欧州の風力発電需要をすでに満たすことができなくなっているとし、Luxcara以外にもドイツ・エッセン州に本社を置くRWEも中国企業との提携交渉を進めていると指摘した。

その上で、中国ではグリーンエネルギー技術企業が政府から手厚い補助を受けているとし、独紙ハンデルスブラットの報道によると、中国の新エネルギー分野上場企業の99%が政府から何らかの補助を受けているほか、政府が重要材料の取得や合弁企業からの強制技術移転など種々の優遇措置を講じていると紹介。欧州企業は政府の補助を得ている中国製品に太刀打ちできる望みがないと伝えた。

一方で、中国企業についてはデータセキュリティの問題が付きまとうとも指摘。「風力発電所のコントロールセンターがドイツ国外に設置されることによる悪影響は排除しようがない」という専門家の見方を紹介するとともに、憂慮に対してLuxcaraが「発電ユニットのコントロールやメンテナンスはすべてドイツ国内で完了するものであり、データが発電設備メーカーに直接伝送されることはない」と否定したこと、再生可能エネルギーの情報セキュリティを研究するドイツ企業Pure ISMのマネージャーもデータセキュリティ面のリスクを認めつつ「リスクに緊迫性はない。ドイツにとって重要なのは設備の機能性と安全性の最高水準を確保すること。持続可能で信頼できる電力供給を保障することが何よりも大事だ」との見方を示したことを紹介している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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