劇場アニメ「ルックバック」は巧みなアニメ表現と技術が光る作品―台湾専門家

Record China    2024年8月2日(金) 12時30分

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30日、台湾メディアの琅琅悦読に台湾映画評論家協会の理事・朱哲輝Alan氏による、劇場アニメ「ルックバック」のレビュー記事が掲載された。写真は劇場アニメ「ルックバック」。

2024年7月30日、台湾メディアの琅琅悦読に台湾映画評論家協会の理事・朱哲輝Alan氏による、劇場アニメルックバック」のレビュー記事が掲載された。(本記事はネタバレを含みます)

朱氏はまず、「劇場アニメ『ルックバック』は、感情豊かで精巧かつ繊細な作品。原作の漫画を約1時間(58分)のアニメーション映画に映像化したものだ。長編とは言えないかもしれないが、その時間の中で藤野と京本という2人の主人公が小学校で出会ってから成長するまで、共同で漫画創作をしながら別れたり再会したり、さらには平行世界を超えて人生をやり直すというファンタジーが描かれている」と紹介した。

続けて、「同作の中で描かれる学校生活や田舎暮らしは、スタジオジブリ作品の『おもひでぽろぽろ』をほうふつとさせ、鮮やかで明るく、視覚的に透明な印象を与える絵の質感、懐かしさと温かさであふれている。特に漫画家を描いた作品だけに、さまざまな画風が巧みに使い分けられている。主人公が粗い線で描くユーモラスな4コマ漫画や、それがそのまま2Dの平面的なアニメーションとして(絵の中にさらに絵があるように)描かれている場面は、映画本編の細かく流れるようなリアルな3Dアニメーションと対照的に描かれている」と説明した。

さらに、「多くのシーンの場面転換がモンタージュ(いくつかの映像の断片を組み合わせて一つの連続したシーンを作る)手法によってテンポ良く描かれており、数年の時間の流れがあっという間に感じられる。また、同作には映画『インターステラー』のように扉越しに漫画のメモを渡すシーンがある。これは心からの後悔の気持ちを表現しており、時空を超えてその後悔を伝えることで、過去の遺憾を解消するチャンスが与えられるというものである」と論じた。

また、「押山清高監督がアニメーションで物語をどのように進めるか、同作を見るとその技術や手法が非常に巧みであることがよく分かる。原作漫画では、1ページに複数のコマを使って動作や情景の進行や対比を描く。これにより、読者は強い感情を感じることができるが、映画では動的な映像として、連続するシーンや編集、音楽を使ってキャラクターの動きや心情の変化を描いている。これこそがアニメ映画の特長であり魅力である」と言及した。

その上で、「劇場アニメ『ルックバック』は、非常に細かい色使いや描写の技術で、人生の過程における努力と夢、友情の形成と別れ、そして予測できない運命の変化を描いている。異なる平行世界の展開が似たような結末に向かうのは、すべてが運命によって定められているからだ。私たちはその瞬間の出会いを大切にすべきである」と述べた。

そして最後に、エンディングテーマのharuka nakamura feat.uraraの「Light Song」について、「まるで聖歌のようなシンプルで純粋なピアノ伴奏が、静かで神秘的な雰囲気を醸し出し、生と死の別れを経験した心境を慰めるかのように響く。エンディングにぴったりの曲だ」と評した。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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