中国の科学者、全固体リチウム電池の研究で新たな突破

CRI online    2024年8月2日(金) 13時20分

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中国科学院青島生物エネルギー・プロセス研究所の科学研究チームは先ごろ、全固体リチウム電池分野で新たな突破を遂げました。写真は複合正極と均質化正極の充電過程における微細構造進化の模式図。

中国科学院青島生物エネルギー・プロセス研究所の科学研究チームは先ごろ、全固体リチウム電池分野で新たな突破を遂げ、電子機器の小型化や長時間稼働を実現することが望まれています。この成果は7月31日、オンライン限定ジャーナル「ネイチャー・エネルギー」で発表されました。

携帯電話、パソコン、その他の電子機器に使用されるリチウムイオン電池の多くは、液体電解質によりエネルギーを貯蔵・放出します。科学者らは現在、新しい電池である全固体リチウム電池を研究しています。この電池は液体ではなく固体電解質を使用しており、液体電解質のように漏れたり発火したりせず、より安全な製品とされています。

全固体リチウムは電池の正極内部の異なる材料が化学的、物理的性質上完璧に整合することが難しく、多種の界面問題が発生し、さらに電池のエネルギー密度と使用寿命に影響を与えます。この問題を解決するために、研究チームは新しい材料―均質化された正極材料(リチウム、チタン、ゲルマニウム、リン、硫黄、セレン)を開発しました。

この新材料は高イオン伝導率、高電子伝導率を兼ね備え、従来の電池材料(層状酸化物正極材料)より1000倍以上高いとのことです。

また、新材料の放電比容量は1グラム当たり250ミリアンペア時に達し、現在使用されている高ニッケル正極材料を上回っています。電池を頻繁に充電せず長時間連続稼働が可能となり、耐久性が向上するだけでなく、電池の体積を小さくして、よりコンパクトな機器の設計に役立ちます。

充放電中の新材料の体積変化はわずか1.2%であり、従来の材料(層状酸化物正極材料)の50%を大きく下回ります。このような微小な体積変化は、電池構造の安定性を維持し、電池の耐用年数を延長するのに役立つとされます。

また、この材料を用いた全固体リチウム電池は5000回充電した後も初期容量の80%を維持することができます。

この研究はエネルギー密度が高く、寿命の長いエネルギー貯蔵設備の開発や、新エネルギー自動車、エネルギー貯蔵電力網、深海・深宇宙装備などに安全で耐久性のある動力源を提供するための技術的な支援を提供します。(提供/CRI

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