Record China 2024年8月16日(金) 6時0分
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中国メディアの環球時報は14日、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の米アリゾナ工場について、「4年たっても一つのチップも生産されず」とする記事を掲載した。
米ニューヨーク・タイムズ(NYT)の「TSMCがアリゾナ州でのチップ製造に苦戦する理由」とする記事を引用して伝えたもので、それによると、TSMCは2020年5月、米国に工場を建設すると初めて発表して以来、アリゾナ州に3つの工場を建設することを立て続けに計画した。総投資額は650億ドル(約10兆円)で、新規プロジェクトへの海外直接投資としては米国史上最大だ。
第1工場では4ナノメートル(nm)プロセスの半導体を2025年前半に、第2工場では世界最先端の2nmプロセスのものを28年に生産開始予定としている。
NYTの記事は、TSMCについて、台湾と米国の労働文化の違いを克服できずに生産開始が遅れ、「台湾でのやり方がアリゾナでは通じず、予想よりもはるかに大きな課題に直面している」と報じている。
記事は、「台湾でかなりうまくいっているからといって、台湾のやり方をここにも持ち込めるわけではないということを、私たちは常に自覚している」とする同工場の従業員コミュニケーション・関係担当ディレクター、リチャード・リュー氏のコメントを紹介し、「TSMCは、台湾では何千人もの熟達したエンジニアとサプライヤーとの何十年にも及ぶ関係を活用することができるが、米国ではすべてを一から構築しなければならない」と伝えた。
記事はまた、「TSMCはアリゾナ州で労働力の獲得競争に巻き込まれている」とも指摘。「同地域の他の企業も生産量増加を競い、熟練労働者を求めている。米半導体大手インテルは同地域で半導体工場を拡張している。これに対応して、近隣の大学は電気工学などの分野の教育を強化した。TSMCは、実習やインターンシップ、研究プロジェクト、就職フェアを通じてコミュニティカレッジや大学と連携してきた」と伝えた。
記事は「TSMCのアリゾナ州におけるプロジェクトは政治的な脅威に直面する恐れもある」とし、「米当局は長い間、同国のTSMCへの依存を懸念してきた。ジーナ・レモンド商務長官は、米国が最先端チップの92%を台湾から購入していると述べた。TSMCのアリゾナ工場は、海外生産のチップへの依存を分散させようとする米国の取り組みの試金石となっている」「共和党の大統領候補ドナルド・トランプ前大統領は6月、メディアのインタビューで、『台湾は米国から半導体産業を奪った』と語った。TSMCを名指ししなかったが、米国が台湾企業に資金提供して米国で半導体を製造していると批判した」とも伝えている。(翻訳・編集/柳川)
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