中国の「iPhoneシティー」が「EVシティー」に?フォックスコンが工場建設へ―中国メディア

Record China    2024年8月18日(日) 18時0分

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16日、中国メディアの参考消息網はフォックスコンが河南省鄭州市に新しい工場を建設予定だと報じた。写真はフォックスコン。

2024年8月16日、中国メディアの参考消息網はニューヨーク・タイムズの報道を引用し、電子部品ファウンドリー大手のフォックスコン(富士康科技集団)が中国の河南省鄭州市に建設予定の新事業本部について、分析を加えた記事を公開した。

記事は初めに台湾企業のフォックスコンと鄭州市の関係について、「フォックスコンの事業の中核は『iPhoneシティー』と呼ばれる河南省鄭州市にある。現地にはサプライヤーやインフラ、工場のネットワークが形成され、多い時には25万人の従業員が世界中で販売されるiPhoneの製造に関わってきたが、フォックスコンは鄭州市でさらに700エーカー(283ヘクタール、東京ドーム約60個分)の新事業本部の建設を予定している。目的は電気自動車(EV)の製造開発だという」と伝えた。

次に記事はフォックスコンのEV製造について、米アップル社との関係に言及し、「今年2月、米アップル社は100億ドル(約1兆4900億円)を超える資金を投資し、10年がかりで進めてきたEV開発を断念した。この方面では競合する多数の中国企業が先行していたからだろう。また、中国でのiPhoneの売り上げは低迷しており、アップルや他のメーカーは製造拠点の一部を他国に移転している。そのような状況でフォックスコンが鄭州市に新事業拠点を建設するなどの投資を行ったのは、同社のアップル社への依存度を軽減する努力の一環だ」と指摘した。

さらに、「フォックスコンはiPhone製造の仕組みを応用する形で、メーカーが設計、販売するEVを受託製造しようと計画しているようだ。すでに台湾の自動車大手・裕隆汽車から高級車『ラクスジェン(納智捷)』などの注文を受けている。同社は昨年破産を申請した米ローズタウン・モーターズからオハイオ州の工場を買い取り、少数ながら電動バスの製造を行っている。21年には裕隆汽車と合弁会社『フォックストロン』を設立し、高級セダンやスポーツカー、バスなどを製造しており、今年はすでに5400台の自動車を裕隆汽車に納入したという。他にも東南アジアでのEV関連分野の製造に巨額の投資を行っており、タイとベトナムでバッテリーと自動車部品を、マレーシアでチップを製造する計画がある。インドネシアや日本でも現地企業と共同でバッテリーの開発や車両製造の交渉を進めているという。フォックスコンの幹部は、同社が鄭州市で築き上げた製造力と政府からの支援をもとに、競合他社よりも速く、低コストでiPhoneを製造できたように、EV製造の分野でも成功できるだろうと考えているようだ」と述べた。

続いて記事は、フォックスコンのEV製造について2人の専門家を取材した。1人目の投資会社カークランド・キャピタル(Kirkland Capital)のカーク・ヤン(楊応超)CEOは取材に対し、「フォックスコンは突破口を探す必要があった。言い換えれば別の大口の取引先を見つけることだ」と答えた。2人目のフォード・モータース上海の元幹部だったスティーブン・ダイアー(Stephen Dyer)氏は「中国のEVメーカーが市場で優位性を保持しているのは、製造能力の高さではなく、消費者の需要に合ったソフトウェアや技術を提供している点だろう。自動車の信頼性と安全性、低価格はどれも消費者にとって同じくらい重要だ。電子機器の故障はEVでなければ単なる故障だが、EVであれば故障は致命的なものとなる」と答えた。

記事は最後に、「中国ではスマートフォンと自動車の企業間の境界がだんだん曖昧になってきている。例えば中国で最も売れているスマートフォンのブランドを持つファーウェイ(華為技術)やシャオミ(小米)はすでにEVを販売している。アナリストの中にはEVの競争が激しい中国市場で、製造能力を頼みとするフォックスコンが生き残れるかについて、疑問を呈する声もある」と述べた。(翻訳・編集/原邦之

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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