トウ小平氏元通訳「台湾人の1割は日系人で独立運動加担」、台湾系メディア「ありえぬ」

Record China    2024年8月18日(日) 8時0分

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トウ小平氏の英語通訳を務めた経験があり、現在は中国のシンクタンク幹部の高志凱氏が国外のテレビ番組で、台湾人口の約10%は日系人であり、台湾独立運動に加担していると述べた。写真は高志凱氏。

中国の最高指導者だったトウ小平氏(1904-1997年)の英語通訳を務めた経験があり、現在は中国のシンクタンクである全球化智庫の副総裁を務める高志凱氏はこのほど、アルジャジーラの番組に出演して台湾や新疆、チベットの問題などを語った。高氏は、台湾の人口の約10%が日本人の子孫であり、熱狂的な台湾独立運動を行っていると述べた。台湾人ジャーナリストが米国で設立した華字メディアの世界日報は、第二次世界大戦後に台湾を接収した中華民国当局の記録などから、台湾にそれほど多くの日系人がいるとは考えられないと報じた。高氏は他のメディアから問い合わせがあった「数字の根拠」について回答していないという。

高志凱氏はカタールの衛星テレビ局のアルジャジーラの英語番組に出演して、インド系英国人ジャーナリストのメフディ・ラザ・ハサン氏と対談した。高氏は「1945年に第二次世界大戦で日本が降伏した際に台湾にいた多くの人は日本から来た人だった。彼らは現在、台湾人口の約10%を占めている。熱狂的な台湾独立分子には、日系台湾人が含まれている」と述べた。

米メディアのラジオ・フリー・アジアは、自社が運営するアジアファクトチェックラボ(AFCL)が14日に高氏に電話取材したが、高氏は台湾における日系人の数についての数字の出所を示さなかったと報じた。

AFCLによると、当時の台湾に設けられた中華民国の機関である台湾省日本人華僑管理委員会が1947年に作成した台湾からの日系人の送還についての記録によると、日本の台湾総督府が45年に調査した台湾在住の日系人の数32万3269人だった、国民政府行政長官公署の46年の戸籍調查資料によると、台湾在住の日系人の数は32万8332人だった。

台湾の日系人管理委員会は、46年3月1日から47年5月3日までの間に計32万3246人の日本人を帰国させた。当初は全員を送還する予定だったが、高級技術者とその家族は台湾に残すことになり、最終的には755人の日本人を台湾に残すことになった。台湾が戦後に初めて行った56年の人口調査からも、第二次世界大戦後に台湾に残った日本人は約1000人と推定できる。

AFCLはさらに、中華民国内務省が実施を続けた人口成長率の統計では戦後の台湾の人口増加率はおおむね年2%から3%で、最も大きかった69年でも4.998%だったと指摘した。そのため、現在の日系台湾人の数は数千人から1万人の間で、どんなに多くても4万人程度と考えられる。高氏が主張した「台湾人口の約1割」は、約230万人という人数を意味するので、過去の記録に基づく算出数からはかけ離れている。

高志凱氏は、テレビなどに出演して中国の政策の正当性を主張することを繰り返している。台湾メディアの三立新聞網によると、高氏は出演したアルジャジーラの番組で、対談相手のハサン氏から、新疆やチベットについての発言の矛盾を追求され、答えられなくなる場面が相次いだという。

三立新聞網の記事によると、アルジャジーラの番組で取り上げた話題の大部分は、台湾ではよく知られている内容だったが、台湾では周到に下調べをして高氏をたびたび沈黙させたハサン氏に対する称賛の声が上がった。中国大陸側のネットユーザーからは、嘆きの声が出た。「大陸史上、最も悲惨なプロバガンダだった」と評した人もいたという。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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