人民網日本語版 2024年8月19日(月) 13時30分
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中国科学院チョモランマステーションはチョモランマ地域の科学調査本拠地となっている。
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チベット自治区ティンリ県のチョモランマ(エベレスト)国家公園内、チョモランマ登山ルートの途中、ベースキャンプから約50km離れた場所に、赤みがかった黄色の2階建ての建物がある。その前には、さまざまな形状の観測機器が設置された広い敷地があり、ひときわ目を引く。中国新聞網が伝えた。
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ここが中国科学院青蔵高原(チベット高原)研究所が建設・運営する「チベット・チョモランマ特殊大気プロセス・環境変化国家野外科学観測研究ステーション(略称・チョモランマステーション)」だ。チョモランマの大気と環境の総合的観測・研究を行う野外観測所であると同時に、科学者らがチョモランマ地域で科学研究活動を行う本拠地となっている。晴れた日には世界最高峰の本拠地頂上をはっきり眺めることができる。
チョモランマステーションの観測主管である席振華(シー・ジェンホア)氏はここで11年間勤務している。席氏によると、チョモランマステーションは2005年に完成。当初はテントから始まったが、徐々に設備と機器の整った総合観測研究ステーションに発展し、2021年には69の国家野外科学観測研究ステーションの1つに認定された。
チョモランマステーションの標高は4276m、ティンリ県扎西宗郷に位置し、ティンリ県政府所在地から約80km、ラサから約650km離れており、観測所と事務・生活エリアの二つのエリアから構成されている。科学調査・研究者に本拠地としてより良いサービスを提供するため、野菜・果物栽培用の温室とハーフサイズのバスケットボールコートも設置されている。
チョモランマステーションには、チョモランマ地域の生態と景観の地理的特徴を代表する複数の野外観測サンプル地がある。約1.3ヘクタールの高山低木(標高4650m)1カ所、約100平方メートルの高山牧草地(標高4475m)3カ所、高山砂礫(標高5200m)、氷河末端(標高5820m)、氷河峠(標高6500m)などの観測ポイントだ。
チョモランマステーションの科学的目標は、大気、氷河、生態、地球物理の観測研究によって、ヒマラヤ山域の大気プロセス、地表過程、地下プロセスおよびそれらと中国、東アジア、さらには地球規模の気象・気候変動との関係を正しく理解するとともに、科学的観測・実験、科学教育の拠点とすることだ。
中国科学院青蔵高原研究所の韓存博(ハン・ツンボー)研究員は、毎年不定期にチョモランマステーションを訪れ、観測機器の設置や保守、関連研究を行っている。韓氏によると、チョモランマ地域は青蔵高原、さらには世界で最も複雑な地形と地表条件を持つ地域の一つだ。この地域の大気ー陸面相互作用のプロセスを研究し、そのエネルギーと水循環の法則を解明することは、地球規模の変化とチョモランマ地域の関係を深く理解するのに資するだけでなく、地域の気象予報と気候予測の精度向上にとっても重要な意義を持つ。チョモランマ地域の観測データは長年不足していたが、チョモランマステーションの設立によりその空白が埋められ、気象、環境、生態、水文など複数分野の貴重な総合観測データが得られるようになった。これらのデータは、青蔵高原の複雑な山地の大気ー陸面相互作用のプロセスへの理解を深め、数値モデルやリモートセンシングインバースアルゴリズムを改善するための科学的データを提供している。
チョモランマステーションの完成以来、米国、日本、ドイツ、オーストラリア、スウェーデン、スイスなどの国から延べ100人以上の研究者が訪れ、研究交流活動を行ってきた。(提供/人民網日本語版・編集/NA)
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