中国はなぜ国債価格の上昇を阻止するのか―仏メディア

Record China    2024年8月23日(金) 5時0分

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21日、仏RFIの中国語版サイトは、中国が国債価格上昇阻止に躍起になっている理由について論じた記事を掲載した。

2024年8月21日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国が国債価格上昇阻止に躍起になっている理由について論じた記事を掲載した。

記事は、中国の株式市場と不動産市場が低調な状況とは対照的に、国債の需要が高まり続けており、10年もの国債の利回りが1年前の約2.6%から2.18%前後にまで低下したと紹介。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が21日、国債価格について中国政府が全力で上昇を阻止しようと試みており、その効果が出始めていると報じたことを伝えた。

そして、中国の国有銀行が国債を大量に売却したことで利回りがこの1週間で確かに上昇したと伝え、監督管理機関も債券市場で活発な動きを見せる銀行への審査を強化していると指摘。中央銀行が自国国債市場に介入することは世界的にもよく見られるものの、介入によって利回りを上げようとする動きは珍しいとし、先月に短期金利を引き下げた矢先の利回り上昇を目的とした国債市場介入は「中国経済を心配させる新たな兆候の一つになった」と評している。

その上で、中国の国債市場では確かに投機が加熱し取引量が増えているとし、5月に発行された30年もの国債が発売初日に25%も値上がりしたことを紹介。このような背景もあり、中国政府は価格上昇抑制のための国債市場介入について「状況が一変して急落した場合に銀行が莫大(ばくだい)な損失を受ける恐れがあるため」と説明していることを伝えた。

記事は一方で、投資家たちがローリスク・ローリターンの国債に集まるには基本的な理由が十分にあるとし、不動産市場に起因して中国経済が低迷していること、前途のある投資先の選択肢が乏しいことを挙げた。そして、WSJが中国政府のアクションについて「利回りの低下ではなく、利回りが中国経済の状況を反映することを最も懸念しているようだ。経済を悲観するネガティブな情報はメディアやネット上から消すことができるが、債券利回りは消したり隠したりできない面倒なシグナルだからだ」と考察したことを紹介している。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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