IBM、中国の研究開発部門を閉鎖へ、1000人以上の従業員に影響―中国メディア

Record China    2024年8月27日(火) 14時0分

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26日、中国メディアの第一財経は、IBMが中国の研究開発部門を完全に閉鎖することを計画していると報じた。

2024年8月26日、中国メディアの第一財経は、米グローバルITソリューション企業のIBMの中国支社であるIBM中国から得た情報として、同社が中国の研究開発部門を完全に閉鎖することを計画しており、1000人以上の従業員に影響が及ぶと報じた。

IBM中国は第一財経に対し、「顧客に最適なサービスを提供するために、必要に応じて業務を調整する。しかし、これによって、大中華圏の顧客へのサポート内容が影響を受けることはない」と述べた上で、中国企業、特に民間企業が、ハイブリッドクラウド人工知能(AI)技術の機会をますます重視している中、技術とコンサルティングの豊富な経験を活かして、企業のニーズに合致したソリューションを共に創り出すことに注力していくと強調したという。

第一財経の記事は、「IBMは今後、中国の民間企業および一部の多国籍企業へのサービスにシフトするとしているが、これまでのIBMの主要顧客は、金融やエネルギーなどの重要分野における大規模な国有企業であった」と指摘。「IBMにとって、中国は米国以外で最もしっかりしたビジネス構造を持つ市場であったため、今回の研究開発部門の閉鎖は、IBMの中国市場における40年にわたる歴史の中で、重要な転換点となる」との見方を示した。

記事によると、今回の閉鎖について、関係者は影響を受ける事業ラインは主にIBM中国開発センター(CDL)と、研究開発とテストを担当していたIBM中国システムセンター(CSL)であるとしている。今回の閉鎖によって影響を受ける従業員に対して、IBMから「N+3」の補償(勤続年数に応じた補償額に3カ月分の給与を加えた補償)が提供される予定だという。

記事は、あるベテラン社員が「何十年も勤めた会社から去ることになり、非常に残念」と感慨深げに語る一方、IBM中国の元社員で、現在は人工知能関連のスタートアップ企業を立ち上げた人物が「IBMが中国から研究開発を撤退させることは驚きではない。私はIBMでの20年間を通じて、栄光の時代から現在の転換期までを見てきた。企業の発展サイクルにおいて、これらは普通の出来事であり、業界に警鐘を鳴らすものである」と語ったことも伝えた。

他にも、複数の企業で勤務経験があるベテラン社員の「実際、IBMは数年前から、すべての研究開発を米国で行っている。今回中国で影響を受けるのはテスト担当者に過ぎず、厳密には研究開発担当者とは言えない」とのコメントを紹介した。

記事は「IBMは中国市場への信頼を改めて表明した」とし、24年8月22日に開催されたIBM中国企業向けAIフォーラムで、ハンス・デッケルス IBMアジア太平洋地域総支配人が「今年はIBMが中国市場に参入してから40年目に当たる。今後40年、さらにはそれ以上にわたり、中国市場に根ざしていきたいと考えている」とコメントしたことを紹介。同氏が、「技術が中国と世界をつなぐ重要な架け橋になる。IBMのオープンテクノロジーは中国と世界をつなぐのに不可欠な一部になるだろう」と強調したことにも触れた。

他にも、記事は「IBM中国の経営陣も、中国市場には特にAI分野で依然として大きなチャンスがあると強調している」と言及。IBMの新たな世界経済や技術発展の情勢下で中国でのビジネス戦略を調整するかという質問に、陳旭東(チェン・シュードン)IBM中華圏統一マネージャーが「AI分野において、IBMの中国と米国での戦略に違いはないと考えている」とコメントしたとした。また、ローカライズについて、同氏は「(ソースコードを国内市場で開発することは)現実的でない」とし、その方法について議論の最中であると述べたという。

記事は、「IBMはAIブームに後押しされたこともあり、過去数年で(成長が)回復傾向にあるが、依然として拡大は低迷している」と指摘。その理由として、一部営業などの職がAIなどに取って代わられつつあり、今後8000人の担当業務がAIに置き換えられる見込みであると伝えた。(翻訳・編集/奈良)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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