カナダ、10月から中国製EVに100%の追加関税=中国は強く反発―中国メディア

Record China    2024年8月30日(金) 4時30分

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27日、中国メディアの第一財経は、カナダ政府が今年10月1日より中国製EVに対して100%の追加関税を課す計画を発表したことを報じた。

2024年8月27日、中国のビジネスメディアの第一財経は、カナダ政府が今年10月1日より中国製電気自動車(EV)に対して100%の追加関税を課す計画を発表したことを報じた。この措置により、EVの他、一部のハイブリッド車、トラック、バス、商用車なども対象に、現行の6.1%の関税にさらに上乗せされる形で適用されることになるという。

本措置の背景について同記事は、カナダのクリスティア・フリーランド副首相兼財務大臣による「カナダにはEV製造のための十分な能力があるが、中国からの輸入されたEVの影響を受けている」「(中国の産業支援政策について)カナダの競争力を損ねている」といった指摘を引用。同氏が今回の関税引き上げはカナダの労働者を保護するための措置だと説明したことを紹介した。

同記事は、このカナダによる措置が今年5月14日に米国が発表した関税引き上げと同様の動きであると指摘。米国が同国の製造業を中国からの不当な競争から守るため、中国から輸入されるEVへの関税を25%から100%に引き上げると発表したことを紹介した上で、カナダも同じような理由で追従したとの見方を示した。

同記事は、近年、中国の新エネルギー車(NEV)の輸出が急増しており、23年に中国の自動車輸出量が500万台を超え、世界一の自動車輸出国となったというデータや、今年1~7月に117万台もの中国製NEVが世界各国に輸出されたというデータが引き合いに出し、世界で「中国製EV脅威論」が広がり始めるほど中国のNEVを含めた自動車輸出が急増していると主張。その一方で、米国とカナダへの輸出はわずか前年同期比10%減の2万8000台であったとし、米国とカナダにはほとんど輸出されていないことも報じている。

また、同記事は、中南米が中国製EVの主要輸出先となっていることに言及。カナダへの中国製EV輸出台数が減少する一方、メキシコやブラジル向けの輸出台数は大幅に伸びたことや、中国の自動車メーカーは南米市場を北米市場への足掛かりと位置づけ、実際に奇瑞(チェリー)や比亜迪BYD)などの企業がすでに中南米での展開を進めていることなどを例に挙げ、中国製EVにとって中南米市場の重要性が増してきていると指摘した。

しかし、同記事は、米国は北米地域におけるカナダやメキシコ、さらにはG7各国に対しても、米国と同調して中国製EVが第三国を通じて各国に流入するのを防ぐよう求めていることも紹介。今年10月1日以降、メキシコが自由貿易協定(FTA)を締結していない国から輸入する小型EVは15~20%の関税免除を受けることができなくなる見込みであるとのメキシコの報道を引用しつつ、中国EV企業が注目している中南米の主要輸出先であるメキシコでもEVに関する貿易制限が強化されるとした。なお、中国はメキシコとFTAを締結していないため、関税免除を受けられなくなることになる。

今回のカナダ側が計画している追加関税について、中国外交部の林剣(リン・ジエン)報道官は、8月27日の定例記者会見で「カナダによるこの措置は客観的事実を無視しているだけでなく、世界貿易機関(WTO)のルールを軽視している。歴史の潮流に逆行するものであり、典型的な保護主義的な行為である。この措置は中国とカナダ、二国間の経済貿易関係を損なうだけでなく、カナダ企業や消費者の利益にも害を与え、カナダのグリーントランジションの進展や、世界的な気候変動対策の努力にも寄与しないものである。中国は本件に対して強烈な不満と断固とした反対を表明する」と強く反発した。

また、同氏は、「補助金によって産業競争力を高めることはできない。保護主義は後退を招き、未来を失うことになる。中国のEV産業は、継続的な技術革新、整備されたサプライチェーン、そして十分な市場競争により急速に発展している。これは比較優位と市場原理が相互に作用した結果だ」と主張している。(翻訳・編集/奈良)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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