2024年8月29日、環球時報は中国の医療機器メーカーがハイエンド分野での海外進出を進めているとする香港メディアの報道を紹介する記事を掲載した。

記事は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの28日付報道を引用。中国から輸出される医療製品のうち、手術ロボットや人工関節などのハイエンド機器の輸出額の占める割合が上昇する一方、注射器や針、ガーゼなどのローエンド製品の割合が低下しており、今年1〜7月の輸出額ではハイエンド機器に当たる第3類機器が32．4％、低リスク医療機器が25．3％と逆転したことを伝えた。

そして、新エネルギー企業同様、価格面での優位性や国内での競争激化を背景にますます多くの中国医療機器メーカーが海外進出のチャンスを積極的に模索しており、昨年には大部分の医療機器が国内の競争激化により全体的な売上高を減らす一方で、海外市場の比率を高めていることがデータで明らかになったと紹介した。

また、米シンクタンク・ローディアムが6月に発表した報告では、中国による対欧州投資の中で医療・保健産業が電気自動車産業に次ぐ2番目に大きな規模であることが明らかになったと紹介。メルカトル中国研究センターが昨年11月に発表した報告では、中国の医療技術製品の世界市場シェア（金額ベース）が2000年の3％から21年には12．4％にまで上昇したことも分かったと伝えた。

さらに、同センターのアナリストが、ハイエンド医療機器の輸出を増やしている中国企業について「より先進的な製品を生産する能力が高まり続けている。ラテンアメリカやアジアなど中・低所得国は特に価格を重視するので、中国企業にとっては有利な進出先だ」との見方を示したことを紹介する一方、これらの中国医療機器メーカーにとっては地政学が大きなリスクとなっており、急速な発展に危機感を覚えた欧米先進国からの妨害圧力が強くなる可能性があると指摘したことを伝えた。（編集・翻訳/川尻）