ディープフェイクによる性被害、韓国人女性が中国のSNSに助け求める―中国メディア

Record China    2024年9月2日(月) 10時0分

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韓国ではディープフェイクと呼ばれるAI利用による性犯罪が深刻だ。被害者女性がSNSに実情を投稿しても「虚偽」を理由に削除されることが多く、中国のSNSに助けを求める投稿をすることが増えているという。

韓国ではディープフェイクと呼ばれるAI利用による性犯罪が深刻だ。韓国では被害者女性がSNSに実情を投稿しても「虚偽内容」を理由に削除されることが多く、中国のSNSに助けを求める投稿をする被害者が増えているという。中国メディアの澎湃新聞などが伝えた。

犯罪の手口は、実在の女性の顔写真をわいせつな画像や動画に合成し、通信アプリなどを通じて共有する方法だ。加害者も被害者も未成年の増加が目立つという。

韓国の大田市出身で今年20歳になる被害者女性のEさんは、中国のソーシャルプラットフォームの小紅書で助けを求める投稿を8月26日に始めた。Eさんは澎湃新聞の取材に対して、自分以外にも多くの被害者が、X(旧ツイッター)やネイバー(Naver)などのSNSに助けを求める投稿をしたが、被害者側がSNSの運営者から警告されて削除されることが多いと説明した。

Eさんによると、性的な加害をするグループの多くはロシア発の無料メッセージアプリのTelegram(テレグラム)を利用している。EさんがSNSに被害状況を紹介して助けを求める投稿をしても、「虚偽内容」などとして削除されてしまうことが多い。一方でEさんらが被害を訴える投稿をすると、Telegramの加害側グループのアカウントでは「あいつを投稿しろ」という書き込みがすぐに出現するので、Eさんは、自分の投稿を知ると加害者グループのメンバーが一斉にSNS側に通報して妨害していることは間違いないと考えている。Telegramの各種加害側グループには計22万人が参加しているとの報道がある。一方で、被害者には大学生、教師、軍人などがおり、未成年も多いという。

Eさんが中国の微博(ウェイボー)や小紅書など中国のSNSを使うようになった理由はもともと、中国の文化やドラマが好きだったからだ。Eさんは中国語が得意でないために中国人ユーザーとは翻訳ツールを使って意思疎通をしている。自分の性被害についての投稿を始めたのは、事件をより広く知って考えてもらうためと、韓国には中国人留学生や中国人観光客が多いので、情報の安全にもっと注意してもらいたいと考えたからという。Eさんによると、多くの中国人ユーザーから励ましのメッセージや、「自分を守って写真や情報をもらさないように」といったアドバイスをもらっており、とても感謝しているという。

韓国の現行法でも「成人が他人について虚偽の画像や動画、音声を作成し、相手の意思に反して相手に恥辱感を与えた場合には、最高で5000万ウォン(約550万円)の罰金を科すことができるなどと定められている。しかし韓国紙のハンギョレ新聞によると、ディープフェイク動画に関する裁判所の判決46件を分析したところ、ディープフェイクのわいせつ動画の拡散のみで起訴された18件のうち、禁錮刑が言い渡されたのは1人で執行猶予が15人、罰金が科されたのは2人だけだったという。韓国の現行法では「伝播の目的があった」ことを立証できた場合のみに刑罰を科すことができ、鑑賞していただけと見なされた場合には処罰されないという。

韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が8月27日の閣議で「デジタル性犯罪の根絶」を訴えて各部署に対策を指示したことから、警察が集中取り締まりを行うなどの動きがあり、刑罰の対象になる行為の拡大や厳罰化などのための法改正の動きも具体化している。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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