2024年9月3日、香港メディア・香港01は、燃料用タンクローリーのタンクを洗浄せず食用油を輸送した問題をめぐり、中国政府が食用油の運送に関する強制国家規格策定方針を示したことを報じた。

中国では7月、タンクローリーが石炭液化燃料を荷下ろしした後、タンク内部を洗浄せずに食用大豆油を積み込んで運んでいたことがメディアによって報じられ、食品の安全に対する懸念が再燃。国務院の食品安全当局が先月末、指摘が事実であることを認めるとともに当事者の企業に最大約286万円（約5800万円）の罰金を科したと報じられている。

記事は、中国国家標準化管理員会がこのほど強制力を持つ国家規格「食用植物油バルク輸送衛生要求」の制定計画通知を発表したと紹介。規格は国家糧食・儲備局が原案作成を主導し、河南工業大学、南京財経大学などの大学や研究機関が原案作成に参加すると伝えた。一方、具体的な内容な制定スケジュールについては明らかになっていない。

記事はその上で、強制国家規格制定に対して中国のネットユーザーから「速やかに発見し、処置を講じたうえで業界の規格を制定する。その動きはスピーディーだ」と評価する声が出る一方で「毎度毎度問題が起きてようやく改善される。未然に防げないものなのか」「問題が発覚しなかったら規格を作る動きが出なかったと考えると恐ろしい」「どんなにハイレベルな基準でも、ちゃんと監督されなければ意味がない」など、当局の対応に懐疑的な意見も見られたことを紹介している。（編集・翻訳/川尻）