日本アニメの成功から学ぶ、中国アニメに求められることとは?―中国メディア

Record China    2024年9月6日(金) 9時0分

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2日、中国のポータルサイト・捜狐に、日本アニメの成功要因を振り返り、中国アニメがどのようにして発展できるかを分析した記事が掲載された。写真は名探偵コナン。

2024年9月2日、中国のポータルサイト・捜狐に、日本アニメの成功要因を振り返り、中国アニメがどのようにして発展できるかを分析した記事が掲載された。

記事はまず、「世界最大のアニメ輸出国である日本は『アニメ王国』として知られ、『鉄腕アトム』『花の子ルンルン』『NARUTO-ナルト-』『ウルトラマン』『聖闘士星矢』『ドラえもん』『名探偵コナン』『ハローキティ』など、多くの名作を生み出してきた。グローバル化が進む中で、日本アニメは強力な存在感で世界市場を席巻し、日本文化を広め、日本の国際的影響力を示している」と述べた。

そして、「先月29日時点で、『名探偵コナン』の最新劇場版シリーズ『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の中国での興行収入が2億2500万元(約45億円)を突破。宮崎駿監督の最新長編映画『君たちはどう生きるか』は7億9100万元(約160億円)を超える興行収入を記録している。中国の映画市場全体が低迷する中で、これらの成績は非常に輝かしいものだ。日本アニメは長い歴史を持ち、今やその文化的影響力や経済的価値は、日本の国家イメージの象徴となっている。これに対して、後発の中国アニメは、日本からどのような教訓を学べるのだろうか?」と問いかけた。

記事は、陳奇佳(チェン・チージア)教授の著書「日本アニメ芸術概論」(上海交通大学出版社、2006年3月)に基づいて日本アニメの歴史を6つの時期に分け、「1917~45年、日本アニメは米国など西洋アニメの影響を強く受けた。第一次世界大戦や第二次世界大戦の時代背景により、戦争を題材にしたプロパガンダ作品も多く見られた。45~62年の戦後は、日本の経済は低迷していたが、手塚治虫氏が登場し、日本の漫画の表現方法を革新した。同時期、ディズニーの映画が世界市場を席巻する中、手塚氏は低コストで物語性を重視した新しいアニメの形態を提案し、読者から熱い支持を受け、日本アニメ産業の基盤を築いた」と説明した。

次に、「63~78年は、手塚氏をはじめ、多くの新しいアニメクリエイターが登場し、日本アニメは急速に発展。その後89年まで、『ドラえもん』の藤子・F・不二雄氏や『犬夜叉』の高橋留美子氏、『ドラゴンボール』の鳥山明氏や『聖闘士星矢』の車田正美氏などが次々と登場した。さらに同時期には、スタジオジブリの宮崎監督も芸術性と思想性を重視した作品を次々と生み出し、日本アニメは黄金期を迎えた」と伝えた。

また、「90~2000年に入ると、日本アニメは『オタク』文化が浮上したり、一部で批判されたりしたものの、依然として『ちびまる子ちゃん』や『クレヨンしんちゃん』、『美少女戦士セーラームーン』や『スラムダンク』、『新世紀エヴァンゲリオン』などの作品が人気を博した。01年以降は、 新世紀の幕開けとともに、宮崎監督の『千と千尋の神隠し』が世界的な評価を受けた一方で、ソニーや任天堂などの企業がアニメ業界に参入し、資本主導の制作の増加や題材の停滞、創作の俗化が課題となった。しかしその後は、新海誠監督や今敏監督など、新たなクリエイターが登場し、日本アニメに新たな可能性をもたらしている。総じて言えば、日本アニメは100年の歴史を通じて、多くの危機を経験しながらも、新たなクリエイターが絶えず登場し、常に革新を続けているのだ」と評した。

その上で、「中国と日本のアニメ産業の発展にはいくつかの違いがある」と言及。「日本では、『ドラえもん』や『名探偵コナン』のように、キャラクターを中心としたIP(知的財産)を育てて世界観を広げる。一方、中国アニメは『封神演義』や『西遊記』など、伝統的な神話を基にキャラクターを作り上げることが多い。また、 日本アニメは普遍的なテーマを扱い、世界的に受け入れられる作品が多いのに対し、中国アニメは民族的な要素に強く依存しているため、国際市場での競争力を制限されてしまう傾向がある」と論じた。

さらに、「日本アニメは個人や小規模スタジオが主導で制作するため、作品には一貫したブランド力があるが、中国のアニメは主に大企業による集団制作が中心であり、個々の監督のスタイルは薄れ、作品の識別性が低くなる傾向がある。また、日本では比較的自由な制作環境が整っているが、中国では一部の厳しい規制によってクリエイティビティーの制限がある」とも言及した。

そして、「日本アニメの成功の鍵は、新しいクリエイターが絶えず登場し、革新を続けている点だ。中国アニメもまた、創造的な才能を持つクリエイターを育成するほか、個々のスタジオやクリエイターが中心となる制作形式を取り入れることで、作品の識別性とブランド力を高めることが求められるだろう。多様な題材を扱い、民族的な題材にとどまらず、国際市場での競争力と存在感を強化することも重要だ。今後、日本アニメの成功要因を取り入れながら、中国アニメが独自の発展を遂げ、世界市場での地位を確立することが期待される」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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