中国の定年年齢引き上げ理由を専門家が説明も、ネットユーザーの反応は冷ややか

Record China    2024年9月11日(水) 17時0分

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10日、中国の全人代が少子化に伴う定年退職年齢の段階的な引き上げ実施案の審議を行った。人民日報の微博アカウントは同日、専門家による段階的な定年年齢引き上げの理由の解説記事を掲載した。

2024年9月10日、中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会が少子化に伴う定年退職年齢の段階的な引き上げ実施案の審議を行った。人民日報の微博アカウントは同日、専門家による段階的な定年年齢引き上げの理由の解説記事を掲載した。

同アカウントは、中国労働・社会保障科学研究院の莫栄(モー・ロン)研究員が段階的な定年年齢引き上げの理由について三つのポイントを挙げて解説したことを紹介している。莫氏はまず、中国の平均寿命、教育を受ける期間の延長という客観的な状況を鑑み、人的資源の開発利用効果を高める必要性という観点を示した。

次に、生産年齢人口の変化に適応し、社会全体の労働力の効果的な供給を増やす必要性を挙げるとともに、労働者の就業意欲の多様化に適応するための措置で、自発的なキャリアプラン選択の支援に有益だと説明した。

その上で「早期に定年退職したい人は、養老保険の最低納付年限などの条件を満たすことによって柔軟な前倒し退職が可能。一方で、仕事を続ける意欲や能力、条件がある前期高齢者は引き続き就業することを選択できる」と解説したことを伝えている。

この件について、中国のネットユーザーは「今の若者は自分の養老年金をもらえるのだろうか」「いや、若者に雇用の機会を残してやれよ。定年年齢を延長すれば、年寄りの面倒に加えて若者の面倒すら見られなくなる」「今の高齢者の退職金は大多数の若者の給料に比べて高すぎる」「現時点でもへとへとなのに、年を取ったらどうなるのか」「定年退職を迎える前にリストラに遭うんだよ」といったコメントを残している。

急速に進む少子高齢化の中で将来の年金制度を維持するという観点でも定年の柔軟な引き上げは合理的なものと言えそうだが、景気が低迷し若者を中心とした失業率が高止まりしている中、世論では定年引き上げが若者の雇用機会を奪うことに繋がるという認識が広がっており、冷ややかな見方をしている人が少なくないようだ。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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