中国商務部、自動車メーカーに完全現地生産の「海外投資リスク」警告―海外メディア

Record China    2024年9月21日(土) 14時0分

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中国商務部は最近行った国内自動車メーカーとの会合で、完全な現地生産方式に向けた海外投資のリスクをメーカー側に警告した。海外メディアが報じた。写真は中国の自動車メーカー。

中国商務部は最近行った国内自動車メーカーとの会合で、完全な現地生産方式に向けた海外投資のリスクをメーカー側に警告した。ロイター通信が事情に詳しい2人の関係者の話として報じた。中国の自動車メーカーは国内需要の減速による設備過剰に見舞われ、海外市場に活路を求める動きが強まっている。

中国政府の資料によると、2022年以降の中国の自動車輸出台数の平均価格は1.9万ドル(現レートで約266万円)に達し、うちEV(電気自動車)のみでは平均価格は2.6万ドルだ。仕向地はベルギー、英国、メキシコ向けなどをはじめとする欧米が主要市場となっている。中国自動車メーカーは輸出に代わり現地生産へ切り替えたり、従来のディーラーでの店頭販売から「サブスクリプション」方式を採用したりするなどさまざまな展開をしている。

BYDはタイで完成車工場やバッテリー工場を建設し、EVモデルを生産。工場で生産したモデルを周辺の東南アジア地域に展開する予定だ。加えて日本、インド、マレーシアなどにおける販売網の構築を加速させている。

長城汽車は近年、海外展開を拡大。積極的に生産拠点を建設している。すでにロシアのトゥーラ工場や20年には米GMのタイ・ラヨーン工場を買収。同工場は長城汽車のEV生産と輸出の中核拠点という位置付けになっている。現在タイ、ラオス、ブルネイ、マレーシアなどの地域に事業を展開しており、今後はベトナム、フィリピン、シンガポールなど東南アジア諸国での事業を拡大する予定だ。

ロイター通信によると、商務部は7月初めの会合で中央政府の指示としてインドに投資しないよう伝えたほか、ロシアとトルコへの投資を控えるよう「強く助言」し、欧州とタイについては工場建設の危険性をより穏やかな口調で指摘した。

メーカー側は地政学上の問題に起因するリスクを最小化するため、中国から輸出した部品を最終的に組み立てる場所として海外の工場を利用することを推奨されたという。

欧州連合(EU)や米国は中国車の進出に輸入関税引き上げで対抗。中国メーカーの間でも、巨額の投資や地元の法令・文化への理解が必要な完全現地生産態勢の構築には慎重な側面がある。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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