人民網日本語版 2024年9月22日(日) 15時30分
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山東省済南市は泉が数多くあるため「泉城」と呼ばれている。写真は趵突泉。
山東省済南市は泉が数多くあるため「泉城」と呼ばれている。生まれも育ちも済南の李建国(リー・ジエンナン)さんにとって、泉の水でお茶を飲んだり、ご飯を炊いたりするのはごく当たり前のことだった。以前は、妻と一緒に車を走らせて、黒虎泉や南部の山地に行って、列に並んで泉の水をさまざまな大きさのボトルにくみに行っていたのだという。ただ年を取るにつれて、わざわざ水をくみに行くことは難しくなってしまったという。人民日報が伝えた。
「水道の蛇口をひねれば、泉の水が出てくるようになればいいのに」という李さんの願いが、ついに現実のものとなった。
済南市は数年前、「そのまま飲める泉の水を水道水とするテスト事業」を打ち出した。政府が主導し、市場が運営するスタイルで、水供給企業が条件が整っている団地でテスト事業を展開し、浄水処理済みの泉の水を一般家庭まで届けるように取り組んでいる。李さんが住んでいる団地でもテスト事業が実施されている。その後、テスト事業の実施範囲は秩序に基づいて拡大しており、今年8月末の時点で、済南市の累計200カ所で事業が実施され、63万2000人が蛇口から出る泉の水を飲めるようになっている。
今年、テスト事業により新たに30万人が蛇口から出る泉の水を飲めるようになり、2025年末にはその規模が35万世帯、100万人にまで拡大する計画だ。
蛇口から出る泉の水の水道代は高いのか?
李さんが水道の蛇口をひねってコップに汲んだ泉の水を、筆者が一口飲んでみると、ひんやりとしていて、ほんのりとした甘みが舌の上に残り、一気に飲みほしてしまった。
李さんは、「ボトル入りウォーターは1リットル約1元(約20円)であるのに対して、蛇口から出る泉の水は約0.3元(約6円)。ボトルの水の3分の1以下の値段だ」と喜ぶ。
安くておいしい泉の水をどのように実現?
関係責任者によると、地下にある浄水ポンプ室で、泉の水は第一段階の沈殿、 限外ろ過、ナノろ過、オゾン・紫外線殺菌など七つのステップを経ている。浄水された水は中国の飲用水衛生標準の要求を満たしていることが確認された上で、各家庭に送られることになる。
済南市の蛇口から出るそのまま飲める泉の水の価格は1リットル当たり平均0.3元(約6円)。市場で出回っている一般的なミネラルウォーターのボトルの大きさで計算すると、1本当たり5.5元(約110円)と、とてもお得だ。同責任者は「泉の水が水道の蛇口を通して飲めるようになると、ボトルのコストが節約できる。また、輸送する必要もないため、その送料なども節約でき、当然ボトルの水より安くなる」と説明する。
泉の水に悪影響は?
済南市都市・農村水務局水供給管理処の李偉(リー・ウェイ)処長は、「この事業が実施できるのは、当市が長年、井戸を封鎖して節水を行ってきたほか、泉を保護するといった対策を講じて、各泉の地下水位を安定させてきたため。現時点では、蛇口から出る泉の水は1人当たり1日5リットル限定。旧市街地の4大泉群周辺のリスクあるエリア内は地下水の利用が禁止されている」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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