独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは20日、事情に詳しい人物の話として、独自動車大手のフォルクスワーゲン（VW）と中国合弁パートナーの上海汽車集団（SAIC）が江蘇省南京市内にある工場の閉鎖を検討していると報じた。

記事はエンジン車の需要減少がその理由だと説明し、事情に詳しい人物が18日、ロイターに対して「南京工場のパサートの生産ラインは付近にある別の生産拠点に移されるだろう」と明かしたと伝えた。これについてVWはコメントを拒んだという。

また、同人物によると、生産ラインの移転に伴い、南京工場の一部従業員も別の工場に移る。南京工場を直接閉めるのか、それとも譲渡売却するのかについての確実な情報は現在のところないという。

中国におけるVWについて、記事は「長年にわたって中国市場で最も成功した自動車メーカーであり続けたが、国内外の競争激化によって同市場でのシェアは徐々に縮小している。失地回復に向け、VWはSAIC、小鵬汽車（シャオペン）といった中国の協力パートナーと新モデルの開発に取り組んでいるところだ」と伝えた。

このほか、VWが中国に持つ39の工場の2023年の総生産数はコロナ前のピークレベルの4分の3にとどまったと説明した。（翻訳・編集/野谷）