Record China 2024年9月22日(日) 17時10分
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会場は、中国の名門美術大学の中央美術学院の講堂。講師は巨匠とされる米国人写真家のスティーブン・ショアさん(写真)。ところがショアさんは講演を途中で打ち切った。聴衆のマナー問題で気分を害したされる。
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会場は、北京市内にある中国きっての美術大学の中央美術学院の講堂。講師は巨匠とされる米国人写真家のスティーブン・ショアさん。講演のテーマは「私の人生を変えた5つの経験と、それらがいかに私を芸術家にしたか」だった。ところがショアさんは、講演を途中で打ち切ってしまった。中国メディアの光明網などの記事によると、聴衆の多くが壇上を見ずに手元の携帯電話を見てうつむいていたので、打ち切ってしまったという。
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北京市内では14日から、ショアさんの回顧展が開催されている。ショアさんは1970年代初めから80年代半ばにかけて、自動車で米国各地やカナダを旅行しながら多くの作品を撮影した。ショアさんは、カラー写真を芸術として確立した代表的な写真家の一人とされている。また、82年からは米バード大学の写真学部学部長も務めている。
ショアさんが中央美術学院で講演を行ったのは19日だった。通訳付きの講演であり、ショアさんはしばらくすると、通訳を介して「申し訳ない。中断します。まず、皆さんにお詫びを申し上げます。というのは、私がこれから話すことは、皆さんの気分を害すかもしれないからです」と言った。
ショアさんはさらに、厳粛な表情で「私が注意力についてお話していることはお分かりですね。それではあなた方も、日常生活の中での注意力の重要性を理解せねばならない。そして、今日この場にいる皆さんの中には、最初からずっと携帯電話を見ている人がとても多い。あなたたちは今日わざわざこの講演を聴きに来ましたが、集中できていないのです。ならば、普段食べているものや、太陽が肌に当たる感覚にどうやって気を配ることができるでしょうか。よいですね。今日はこれで終わります」と言って演壇から退いた。
中国メディアの取材によると、中央美術学院美術館のある職員は20日になり、この件について「一部の聴衆が携帯電話を見ていて講演者が講演をやめてしまった状況について、指導者に報告し、聴衆に文明的なマナーに注意するよう呼びかける」と説明した。
ただし、聴衆が携帯電話の画面を見続けていたのは、ショアさんの講演を無視していたのではなく、発言内容をメモするなどしていたとの指摘もある。
北京市内のある芸術施設の関係者は「私どもも催しに協力しましたが、主催は中央美術学院であり、関連する講演についてのマナーの規範があるはずです。誤解が生じたのなら、老巨匠と意思疎通をして、(来場者が携帯電話を見下ろしていたのはメモを取るためだったという)状況をできるだけ理解していただきます」と述べた。
記事によると、ショアさん側からの直接の表明はないが、ネットでは「聴衆は携帯電話を使って(講演内容の)メモを取っていた。ショアさんは(後になり)そのことを知らさられて、気分をずいぶんよくした」との投稿もあったという。(翻訳・編集/如月隼人)
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