三つ目には「二元対立」を挙げ、「多くのヒーロー物語と同様に、『僕のヒーローアカデミア』にも二元対立の世界観がある。作者は『One for all,all for one(ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために)』という有名な格言を使っている。このフレーズはアレクサンドル・デュマの『三銃士』に登場する名言であり、スイスの建国の標語にもなっている。同作品ではこのフレーズが分割されており、主人公が持つ『ワン・フォー・オール』という個性は、代々受け継がれて力を増していくもの、反対に敵側の『オール・フォー・ワン』は他者の力を奪うことで強くなる能力とされている。どちらも力を得る手段だが、得る方法は正反対。この二つの力の起源はとある兄弟にあり、与える者と奪う者、善と悪という対立の象徴として描かれている」と論じた。
四つ目に「最後の劇場版となる可能性」を挙げ、「これまで『僕のヒーローアカデミア』は4本の劇場版が公開されており、アニメの進行に合わせて制作されてきた。現在、台湾で上映中の『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』は第6期の後のスピンオフ的なストーリーだが、第7期が最終章に突入しているため、もしかするとこれが最後の劇場版になるかもしれない。同作品では、『平和の象徴』と称されるヒーロー・オールマイトにそっくりな敵(ヴィラン)・ダークマイトが現れ、社会の混乱を利用して新たな秩序を築こうとする物語。全面戦争の影響で街が壊滅寸前となり、巨大な要塞が突然出現する。市民が飲み込まれる大規模な戦闘が展開され、主人公・緑谷出久(みどりやいずく)と仲間たちが街を救うために再び立ち上がる」と紹介した。
五つ目は「すべてがそろった一作」とし、「『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』は、これまで作品を追い続けてきたファンにとって非常に感慨深いものだ。同作品では絶え間ない戦闘シーンで、観客が期待しているさまざまな合体技が登場する。特に、人気キャラクターの緑谷出久、爆豪勝己(ばくごうかつき)、轟焦凍(とどろきしょうと)の3人による連携攻撃のシーンでは、名曲『You Say Run』のBGMとともに、盛り上がりが最高潮に達する。また、アニメ版ではあまり見られないカメラワークや戦闘の特殊効果があり、大スクリーンでの圧倒的な鑑賞体験が楽しめる」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)
この記事のコメントを見る