Record China 2024年9月25日(水) 18時0分
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24日、香港メディア・香港01は、「アクセス稼ぎナショナリズム」に勝者はいないとする記事を掲載した。
2024年9月24日、香港メディア・香港01は、「アクセス稼ぎナショナリズム」に勝者はいないとする記事を掲載した。
記事は、国連総会に出席した日中両国外相が24日に会談し、広東省深セン市で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件が議題になったと紹介。日本メディアの報道として、上川陽子外相が事件の真実を明らかにして明確な説明を行うこと、現地の日本人の安全を確保する具体的な措置を講じること、SNS上での過激な反日投稿を禁止すること、近隣国間の交流を妨げる問題に正面から取り組み、真剣な措置を講じることの4点を中国側に求めたのに対し、王毅(ワン・イー)外相が「日中双方が望まない偶発的な事件であり、法に基づき対処する」と述べたほか、中国にいるすべての外国人の安全を法律に基づいて守ることを約束する一方、日本側に対しても冷静かつ理性的な対応を求め、事件を政治問題化したり、誇張したりしないよう促したと伝えた。
また、日中外相会談に先立ち行われた中国外交部の定例記者会見で報道官が中国の反日教育に対する外部からの批判を否定するとともに、地元市民による自発的な追悼行為を「中国国民の最も素朴な感情と生命への尊重を反映している」と述べ称賛したと紹介した。
その上で、東京大学の阿古智子教授が最近発表した論文で、日中両国が根深い「反中」と「反日」感情という現実に向き合っているとし、中国人ジャーナリストが提起した「アクセス稼ぎナショナリズム」という言葉を引用した上で、日中両国のネットユーザーに同様の傾向が見られると指摘するとともに、中国であれ日本であれ「アクセス稼ぎナショナリズム」に振り回されては、誰も勝者にはなれないと論じたことを伝えている。
記事は、国籍による差別的な解釈や分析が、日中両国のネットや商業メディアで急速に広がっているほか、ソーシャルメディアの普及や人工知能(AI)の出現により、偏った情報や悪意のあるフェイクニュースが拡散しやすい環境も生まれていると指摘。6月の蘇州に続き再び日本人児童を襲撃する事件が起きたことについて「中国は極端なナショナリズムやポピュリズムを黙認しているわけではない。中国共産党にとって、インターネット上の敵対的な感情や極端なナショナリズムへの対処は常に難しい問題であり続けている。また、インターネット上で見られる極端なナショナリズムやポピュリズムは中国社会の主流ではなく、各国間の交流もバイアスがかかったインターネット世論の影響を可能な限り避けるべきだ」との見解を示した。
そして、ソーシャルメディアの普及とAI時代の到来に際し、ネット世論が日中両国だけでなく世界共通の問題になっているとし、イスラエルの人類学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏が「人間は大規模な協力ネットワークを構築し、それによって途方もない力を手に入れることができるが、そのネットワークの構築方法が、人間がその力を賢明に利用できないまま終わることを運命づけている。実際、人間は自滅への道を歩んでいる」と悲観的な見方を示したことを紹介。「AIが人間を完全に支配してしまうかどうかは分からないが、日中関係の悪化に歯止めをかけ改善するにはまず、共通課題である『アクセス稼ぎナショナリズム』から出発し、ソーシャルメディアやアルゴリズムによって形作られた『ナイーブな情報観』から脱却することだ」と提起した。(編集・翻訳/川尻)
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