激化する中国の自動車価格競争、損失は8カ月で2兆7600億円―中国メディア

Record China    2024年9月28日(土) 10時0分

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25日、中国メディア・経済観察報は、中国で自動車販売分野の価格競争が激化していることを報じる記事を掲載した。

2024年9月25日、中国メディア・経済観察報は、「自動車販売における価格競争の激しさはどれほどか?中国自動車流通協会は自動車販売業界では8カ月の間に1380億元(約2兆7600億円)の損失と報告」と題した記事を発表した。

記事は同協会が作成した「現在の自動車販売業者が直面している資金難と営業停止リスクに関する報告書」内の今年8月の新車市場の平均割引率が17.4%に達したというデータを引き合いに出しつつ、今年1~8月に起こった自動車の価格競争により、新車販売市場全体で累計1380億元の損失が発生したことを報じた。そして、「この激しい価格競争は自動車業界の健全な発展に深刻な影響を与えている」と指摘した。

記事は報告書の内容として「中国の自動車販売業界が直面している主な問題には、消費の低迷とメーカーからの大量卸売りの二重の圧力がある。これにより、販売業者は大量の在庫を抱え、資金圧力と融資コストを抑えるために低価格での売却を余儀なくされている」「価格競争が激化することで仕入れと販売の価格が逆転し、販売すればするほど損失が拡大する。これに加えて、融資返済が困難になることもあるため、資金回収が滞り、資金繰りが限界に達している」などと紹介した。

また、「自動車市場が成長期を過ぎ、在庫を抱える市場へと変化している。自動車の流通効率の向上は国民経済全体の向上に寄与する。資金集約型であり、民間企業の割合が高い自動車販売業界では、金融支援の安定が流通の活性化に不可欠だ。特に、民間販売業者への金融支援が、自動車消費の拡大や自動車産業のアップグレード、そして新たな『双循環』新発展モデルの構築において重要な役割を果たす」との同協会の指摘にも触れた。

記事は、今年に入ってから自動車販売業界で激しい価格競争が続いており、いくつかの大手販売業者ですら経営危機に直面していることを紹介。例として、中国南部で27年間にわたり営業していたが倒産した永奥グループ、取引店舗数の縮小を発表した河南省最大の自動車販売業者である威佳汽車、7月に財政危機に陥った江蘇省に本社を置く森風グループ、深刻な財務問題に直面し株価が急落した挙げ句、最終的に上場廃止に追い込まれた中国最大の自動車販売業者である広匯汽車などを挙げた。

その上で、「このような状況は、自動車流通業界全体の縮図ともいえる」と指摘した。他にも、上場している10の自動車販売グループ企業の今年中期の業績はその大半が悪化しており、うち8社が売り上げ減少、純利益に至っては10社すべてで減少していることを紹介。「業界最大手の企業ですらこの状況で、自動車販売業界全体が非常に厳しい環境に置かれていることがうかがえる」と論じた。

そして、このような激しい競争の結果、今年上半期に売上目標を達成した自動車販売業者は28.8%にとどまる一方、目標達成率が70%未満の自動車販売業者は33.3%に達していること、50.8%の販売業者が赤字を計上していること、その中でも新車販売における損失が深刻で、1店舗当たりの新車販売による平均損失額は178万元(約3560万円)に達しているといったデータも紹介した。

記事によると、同協会は今後の対応策として、新規投資の慎重な検討、自身の強みを確固たるものにしつつ販売方法を調整すること、徐々に調整を行うこと、既存顧客の維持とユーザーロイヤリティーの向上、中古車販売事業の強化と伝統的な販売方法の見直し、オンライン販売の拡充と新たな収益源の模索などを提案した。(編集・翻訳/奈良)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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