中国・江西省撫州市の路上で、転倒した高齢者を助けた少年が犯人扱いされ、暴行を受ける事件が起きた。中国メディアの大河報などが報じた。

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先日、17歳の孟（モン）さんがバイクで走行中、酒に酔った高齢の男が転倒して頭部を負傷している現場に遭遇、助け起こした。男に状況を聞いたが答えがあいまいだったため、男の携帯電話を借りて男の家族に連絡した。ところが、男は突然「逃げるな」「なぜ俺にぶつかった」などと言いがかりをつけ、突き飛ばすなど暴力を振るった。手が付けられないと思った孟さんはやむなく警察に通報した。

男は現場にやってきた警察官に傷口を指さしながら「こいつ（孟さん）にバイクではねられてけがをした」と主張。孟さんは「バイクで通りかかった時に（男が）倒れているのを見て、助け起こした」と説明した。男は終始興奮した状態で、警察官が駆け付けた男の家族に話を聞いている最中にも、孟さんに殴りかかった。孟さんによると、男から計5発殴られたとのこと。

男の家族は孟さんに病院まで付き添うことや、治療費を賠償するよう強く要求。警察は男のけがの状態が深刻ではないことから、双方をいったん警察署に案内した。路上に設置された監視カメラには映っていなかったものの、たまたま付近のホテルの駐車場の防犯カメラに現場の様子が映っていた。ふらふらと歩いてきた男が街路樹のそばで立ち止まり、その後自分で倒れる様子や、孟さんが助け起こす様子が映っていた。

真相が明らかになったことで、男には9日間の行政拘留処分と200元（約4000円）の罰金が科された。また、男の家族は孟さんに謝罪し、感謝の意を示した。事件について聞かれた孟さんは「助けたことを後悔はしていない。次に同じことがあったとしても助ける」と語ったという。

中国のネットユーザーからは「とんでもない高齢者だな」「心が寒々とした」「倒れている高齢者を助けてはいけない理由」「もし監視カメラの映像がなかったらどうなっていたか分からんぞ」「いいことをしようとするとばかを見る」「男だけでなく家族も罰するべきでは？」「これはもはや君（孟さん）一人が後悔するかしないかの問題ではない」「善人には良い報いがあってほしい」といったコメントが寄せられている。（翻訳・編集/北田）