「地下鉄駅で食事し3家庭で勤務」、韓国が招いたフィリピン人メイドの過酷な労働実態

Record Korea    2024年9月29日(日) 7時0分

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韓国がフィリピンから招いた家事管理士(メイド)が9月からサービスを開始。地下鉄駅で食事し3家庭で勤務するなどの過酷な労働実態が明らかになった。

韓国がフィリピンから招いた家事管理士(メイド)が9月からサービスを開始する中、地下鉄駅で食事し3家庭で勤務するなどの過酷な労働実態が明らかになった、と韓国紙が伝えた。「ソウル市外国人家事管理士モデル事業」に参加し、勤務に投入された2人が早くも離脱した。

ハンギョレ新聞によると、韓国産業人材公団と雇用労働部の主管で、すでに24~38歳の100人のフィリピンから来た家事管理士(E-9ビザ)の選抜が完了。100人は比政府の公認する資格の所持者の中から英語と韓国語の語学能力評価、健康診断、犯罪歴などの身元検証を経て選ばれ、9月から来年2月末までの間、韓国に滞在する。

8月に1カ月間の研修を受け、9月3日に初出勤したが、月給日(20日)に手にした金額は50万ウォン(約5万3900円)ほど。労働の対価が支給されるのが1カ月後という構造で、8月の研修手当から宿舎費などが差し引かれた147万ウォン(約15万9000円)が3回(8月20日、9月6日、9月20日)に分けて支給されたのだ。

雇用労働部とソウル市は24日、現場の声を聞くため緊急懇談会を開催。家事管理士のジャスミン・エリカさんは「一つの家庭で一日8時間の労働時間を過ごすのではなく、多い日は三つの家庭を回って働いているため、移動が負担になっており、公園や地下鉄の駅で食事を済ませている」として、「韓国で働くために資格取得にお金をかけて、最初の月から故郷にお金を送った」と語った。

この日の懇談会では賃金だけでなく、管理を担う私企業が「門限」「外泊禁止」などによってフィリピン人労働者の人権を侵害していることもあらわになった。家事管理士のジョアンさんは「仕事を終えて江南の宿舎に着くと夜9時ごろになっているが、門限が夜10時なので社会的な活動をする自由がない」とこぼした。秋夕(チュソク)期間以外は外泊も禁止されていたという。

これについて、懇談会に参加した家事サービス業者「代理主婦」のイ・ボンジェ副代表は「契約書には門限を明示していない。ただし宿舎で他の方々の迷惑にならないよう独自に夜10時にしたもの」と釈明した。

国内のケア・家事労働者も敬遠するような家事と育児を両方させる業務指示や利用申請が複数の子どものいる世帯中心だったことなども家事管理士の負担になっていた。

ソウル市女性家族室のキム・ソンスン室長は「複数の子どものいる家庭を優先して申請を受けた結果、フィリピン人家事管理士たちが非常に苦労しているということが分かった」と言及。雇用労働部のハン・ウンスク外国人材担当官は「近いうちに大半は週40時間勤務をすることになる。賃金支給も最初の月は円滑ではなかったが、10月からは一カ月(前月)働いた賃金を受け取ることになるだろう」と述べた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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