サマーキャンプで体罰、スクワット200回させられた13歳少年が横紋筋融解症に―中国

Record China    2024年10月4日(金) 8時0分

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30日、華商報は、山東省の13歳の少年がサマーキャンプでスクワットを200回させられ横紋筋融解症を発症したと親が訴え、運営機関側と争っていることを報じた。

2024年9月30日、中国メディアの華商報は、山東省の13歳の少年がサマーキャンプでスクワットを200回させられ横紋筋融解症を発症したと親が訴え、運営機関側と争っていることを報じた。

記事によると、山東省済寧市に住む13歳の少年が昨年8月下旬、7日間のサマーキャンプに参加した際、最終日の同26日にトラブルが発生した。サマーキャンプの閉校式を終えた後に父親が少年を迎えに行った際、少年が足を引きずっていたため事情を聞いたところ、当日朝に生活指導の教員が、他の参加者と私語をしていた罰として少年に1000回連続スクワットの罰を与えたことが分かった。少年は200回やったところで限界に達し動けなくなると、指導員がやって来て一蹴りした。少年は痛みに耐えながら地面に横たわり30分ほど放置され、親が迎えに来る時になってようやく椅子に座らされたという。

父親はその後、サマーキャンプ実施機関の教員を呼び出して一緒に少年を地元の病院に連れて行ったものの、簡単な診察しか受けられず「筋肉のこわばり」として軟こうを塗って帰らされたが、その後少年の足に激痛が走って歩けなくなってしまった。そこで再び機関に連絡を取った上で少年を病院に連れていき、しっかりした検査を受けたところ、足の横紋筋融解症と診断され、治療が遅れたことで肝臓や腎臓にもダメージが生じていたことが分かった。

少年の母親曰く「治療が遅いと命の危険もある」と医師から宣告されたものの、幸い治療が奏功して症状は改善に向かい、13日間の入院生活を経て自宅要領の運びとなった。ただ、少年は活動量を厳しく制限され、長時間ベッドで寝たきりの状態を余儀なくされ、移動時は松葉づえや車椅子を必要とする状態で、通常の勉学も中断せざるを得なかったという。

その後少年の両親は実施機関に賠償を請求する交渉を開始した。当初実施機関は体罰と暴行を認めたが、やがて全面的に否定するようになったという。幾度かの交渉の末、2023年9月に双方の間で和解が成立し、少年の負傷に対する補償、授業料、交通費、家族の逸失利益の補償など計1万8000元(約37万円)が支払われることになった。しかし少年の両親は後になって、和解合意書に子どもの負傷の原因が「スクワットをしていて、過剰な力により入院した」と記載されていたことに気づき再交渉を求めたという。

しかし交渉は進展を見ないまま時間が経過し、今年6月には少年の両親が裁判所に訴訟を起こした。少年の母親によると、裁判所は訴えを受理し、現在、訴訟手続きは被害者の障害レベルの認定段階にあるとのことだ。

一方、実施機関側は「生活指導教員による体罰や殴打はなく、少年の負傷は過度な運動によるもの」との主張を曲げず、「すでに和解が成立し、1万8000元の補償金も支払った」として解決済みであることを強調しているようだ。

この件について陝西省にある法律事務所の弁護士は「双方の主張が真っ向から対立しており、少年が負傷した理由はなおも明らかではない。両親が言うように『教員の体罰や暴行』が原因なのか、それとも機関側の『激しすぎる運動』による負傷なのかによって、責任の所在は全く異なる。両親側が現在提示している証拠で機関側による体罰を証明するには不十分」との見方を示しつつ、すでに合意に至った和解内容については「重大な誤解に基づき締結された、あるいは賠償金が実際の損失額より著しく低く不当であることが認められれば無効にすることができる」との認識を示した。

横紋筋融解症は薬物の影響や過度なトレーニングによって筋肉組織が分解してミオグロビンが尿中に排出され、重度の場合は腎機能にダメージを与え急性腎不全を引き起こす可能性があり、速やかな処置が必要とされる。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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