台湾ではドラマなどでの「タブー破り」が次々に、武力統一への恐怖を反映―香港メディア

Record China    2024年10月6日(日) 15時0分

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香港メディアの香港01が、2025年に放送予定のテレビドラマ「零日攻擊 ZERO DAY」を、台湾でのタブーを破ったと紹介する記事を発表した。写真は同作品のフェイスブック投稿より。

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香港メディアの香港01は5日、2025年に放送予定のテレビドラマ「零日攻擊 ZERO DAY」を紹介する記事を発表した。同ドラマは台湾で初めて放送される、中国人民解放軍の台湾侵攻を想定して創作されたフィクションで、米国メディアは「悪夢が業界を刺激してタブーが打破された」と評したという。

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「零日攻擊 ZERO DAY」は11月に撮影が終了し、25年に放送される予定だ。出演は高橋一生、連俞涵、杜汶沢など。中国人民解放軍が台湾を軍事攻撃して戦争状態になった場合に、台湾社会が直面する可能性のある事態を描く。総統選を経て新たな総統の就任日が近づく時期に、中国軍が台湾南東の海域で対潜哨戒機が撃墜されたとして、捜索および救助が必要だという名目で台湾を海上封鎖し、さらに上陸作戦を開始する。台湾の対外航運は完全に途絶し、株価暴落と銀行の取り付け騒ぎが発生する。

ネット配信された「零日攻擊 ZERO DAY」の予告編の再生回数は、すでに100万回を突破した。香港01記事は、長期にわたり、台湾を訪れる観光客は台湾について、大陸側の脅威に直面していても驚くほど楽観的という印象を持ち続けてきたとする見方を紹介。さらに、中国政府は台湾に対する主権を主張し、武力行使の可能性を放棄していないにもかかわらず、台湾の娯楽業界は大陸側の台湾侵攻の話題を意図的に避けてきたと主張した。米紙ウォールストリート・ジャーナルは同作品を、「中国大陸の台湾武力統一の悪夢が、台湾の娯楽産業にタブーを破る作品を作らせた」と評した。

「零日攻擊 ZERO DAY」は制作にあたり、総統府内での撮影を許可され、台湾政府・文化部の資金援助も受けた。そのため、政権党である民進党の支持を獲得するための政治宣伝の作品との批判が出た。しかし李遠文化部長は、政治宣伝映画はこのような恐ろしい光景を描くことはできないと述べて否定した。李部長はさらに、「自らの最大の恐怖に立ち向かうことができる社会こそ、健全な社会だ」と述べて、台湾の文化産業が論争のあるテーマに触れ始めたことを歓迎する考えを示した。

「零日攻擊 ZERO DAY」

台湾ではドラマの「零日攻擊 ZERO DAY」以外に、大陸側の台湾侵攻を扱う劇画やゲームも注目されるようになった。例えば劇画「燃える西太平洋」は、在任中のトランプ米大統領が、米軍を派遣して台湾に侵攻した中国軍の撃退を支援する物語だ。

同作品作者の梁紹先氏によると、18年にネット上で連載を開始した際には、反応はあまりなかった。しかし、22年に当時のペロシ米下院議長が台湾を訪問したことを受けて中国軍が台湾を包囲するような方式で軍事演習を行ったことで、状況は一転した。販売数はそれ以前の7倍に達したという。

また、作家の朱悠勲氏は、最近になり自分が審査員を務める一部の作文コンテストでは、応募者である若者が戦争に関する作品を提出することが増えていると説明し、「かつては見たことがなかった」と表現した。朱氏によると、台湾で発表される文学作品でも同様な傾向があり、今後も続くと考えられるという。

「零日攻擊 ZERO DAY」の脚本家兼統括プロデューサーの鄭心媚氏は、大陸による侵攻に関連する新たな創作ブームは台湾の民衆の心理の変化が関係していると述べた。鄭氏は、台湾の人々は表面上は脅威を感じていないように見えるが、実際には恐怖が存在しているとの見方を示した。鄭氏はさらに、台湾がますます米国寄りになるにつれて、中国大陸側の北京の台湾に対する態度は一層強硬になっていると指摘。大陸側と台湾の経済の絆はすでに断裂しており、かつては多くの台湾人が中国大陸側との経済の提携に期待を寄せていたが、すでにそのような気持ちはそれほど強くないという。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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