香港で貧富の差が急速に拡大―独メディア

Record China    2024年10月10日(木) 6時0分

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6日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、香港で貧富の差が近年急速に拡大していることを報じた。

2024年10月6日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、「香港で貧富の差が5年で2倍以上に拡大」と題した記事を掲載した。

同記事は2日に発表された国際NGOオックスファム香港支部の報告書を引用し、香港で最も裕福な家庭の収入は最も貧しい家庭の80倍に達しており、この数字は5年で2倍以上に拡大しているとした上で、「世界的な金融センターである香港は、世界で最も生活費が高い都市として知られており、長年にわたり富の不均衡が是正されていない」と論じた。

同記事によると、中国本土で「共同富裕」という格差是正のスローガンを掲げる習近平(シー・ジンピン)国家主席は、香港に対しても民生問題の解決と社会経済の流動性向上を求めており、それを受けて香港政府は「ターゲットを絞った貧困削減対策」を実施すると約束しているという。

しかし、報告書は、新型コロナウイルス感染拡大以後、高齢者の貧困が引き続き増加し、貧富の差も拡大していることを指摘している。実際、今年第1四半期における香港の最も貧しい10%の家庭の月収はわずか1600香港ドル(約3万500円)であり、最も裕福な10%の家庭の収入は13万1100香港ドル(約250万円)と81.9倍もの差があった。19年時点での両グループの格差は34.3倍であったことからも、貧富の格差が大きくなっていると言える。

また、報告書は、今年第1四半期香港の総人口(約689万5000人)の20.2%に当たる約139万5000人が貧困状態にあるとし、そのうち65歳以上の高齢者は新型コロナウイルス感染拡大前の19年と比較して約42.9%増の58万人以上であることを指摘している。

同記事は、オックスファムの香港・マカオ・台湾プロジェクトディレクターである黄碩紅(ホアン・シュオホン)氏が、香港メディアの香港01の取材に対し「貧困層の高齢者の多くは労働収入がない。2000年に開始された強制積立年金(MPF)が導入される前に退職したため、積立金が少ない。さらに、貯蓄も乏しく、子どもがいない人もいるため、生活は非常に厳しい」と語ったことを紹介した。

また、オックスファムが高齢者の貧困問題が急速に悪化しているとした上で、「香港における貧困人口も貧困率も上昇している。これは社会に対して警鐘を鳴らすべき状況である」と警告していることも報じている。(編集・翻訳/奈良)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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