香港、アジアに先行する脱炭素への移行支援金融センター構築を加速―中国国営メディア

Record China    2024年10月21日(月) 9時0分

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香港がアジアに先行する「トランジション・ファイナンス(脱炭素への移行を支援する金融)センター」の構築を加速させている。中国国営メディアが報じた。写真は香港。

香港がアジアに先行する「トランジション・ファイナンス(脱炭素への移行を支援する金融)センター」の構築を加速させている、と中国国営メディアが報じた。2021年から50年までの間に、世界が温室効果ガスの実質排出ゼロの実現に必要な実物資産の支出は現時点で年間3兆5000億ドル(約522兆円)不足している。

国営新華社通信によると、中国香港特別行政区政府財政司の陳茂波司長はこのほど、香港グリーンファイナンス協会(HKGFA)が開いた年次フォーラムで「世界は低炭素化への移行において、大きな資金不足に直面しているが、香港の『トランジション・ファイナンス』の発展に対し、独自のチャンスをもたらしている」と指摘。香港はアジアを先行するトランジション・ファイナンスセンターの構築を加速させる意向を示した。

陳氏によると、香港では直近3年間のグリーンボンドの年平均発行額が630億ドルを超えた。証券や先物取引を管理する「証券及期貨事務監察委員会(証監会)」が認可したESG(環境・社会・企業統治)ファンドは今年6月時点で230社を超え、運用資産は1600億ドルを上回り、3年前より60%増加した。

陳氏は「こうしたデータは整った管理枠組み、必要な金融インフラ、発達した金融市場、基準の策定やコンプライアンスに関する専門知識などを含むトランジション・ファイナンス市場を発展させるための確かな基礎を香港が持っていることを示す」と言及。「今、必要なのはトランジション・ファイナンスの必要性と成長性に対する人々の認知を高めることだ」と強調した。

米コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニーのリポートによると、2021年から50年までの間に、世界が温室効果ガスの実質排出ゼロ(ネットゼロ)の実現に必要な実物資産の支出は、年平均9兆2000億ドルに達するが、現時点で年間3兆5000億ドル不足している。

HKGFAの馬駿主席は香港がここ数年、世界のグリーンファイナンス(環境金融)センターの構築において大きく進展したと振り返る。同時に「特区政府の後押しを受け、香港はアジアで最も活力のあるグリーンファイナンス市場の一つとなり、革新的な金融商品を相次いで発表するとともにグリーンファイナンス分野の国際的対話と基準の相互運用を促した」と述べた。

さらに「トランジション・ファイナンスは世界のグリーンファイナンスの発展を代表する重要な流れである」と強調。「香港は世界の金融センターとして、地域の対話を促進する有利な位置にあり、この分野で可能性が高い」との認識も示した。

HKGFAは18年の創設以降、これまでに7回の年次フォーラムを開催している。今回のテーマは「アジアのネットゼロ移行に向けた資金調達」で、各界の代表者約1500人がオフラインとオンラインで参加した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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