Record China 2024年10月28日(月) 6時0分
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中国では高齢者への商品・サービスの提供や高齢準備期の一連の経済活動を指す「シルバー経済」が急成長。企業参入も加速し市場の新たな需要が引き出されている。写真は南京の高齢者介護施設蘇園。
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中国では高齢者への商品・サービスの提供や高齢準備期の一連の経済活動を指す「シルバー経済」に関する政策の発表が相次いでいる、と国営メディアが伝えた。企業の参入も加速するにつれて、市場の新たな需要が引き出され、シルバー経済が急成長段階を迎えている。
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国営新華社通信によると、国務院はこのほど発表した「サービス消費の質の高い発展促進に関する意見」で、シルバー経済の発展に力を入れ、スマート製品や情報システムなどの技術を活用した「スマート・ヘルスケア・高齢者産業」の発展促進を目指すとした。
市場調査会社の艾媒諮詢によると、中国の高齢者産業の市場規模は2023年が前年比16.5%増の12兆元(約250兆円)だったが、35年には30兆元程度に膨らみ、同年の国内総生産(GDP)の約10%を占める見通しという。中国のシルバー経済は、加速度的な発展段階にある。
中国のシンクタンク、盤古智庫(パンゴール)傘下の老齢社会研究院の李佳副院長は「高齢者産業の市場規模の拡大はシルバー経済の大きな成長性を示すだけでなく、需要サイドのサービス・製品に対する差し迫ったニーズも反映している」と指摘。シルバー経済の発展が国民生活に関わり、産業の発展にも重要なチャンスであるとの認識を示した。
供給サイドを見ると、シルバー経済の関連企業数が増えている。企業情報サイト「企査査」のデータによると、関連企業の登録数はここ10年、毎年増え続け、現時点で48万3000社に上り、主に高齢者向けのサービス、用品、医療・ヘルスケア、旅行などを手掛けている。
また、ビッグデータやクラウドコンピューティング、人工知能(AI)などの技術を活用した装着型ロボット「アシストスーツ」、スマート対話機能を搭載した「高齢者向けスマートフォン」、「管理人」タイプの寄り添いロボットなど、さまざまなスマート製品も次々と登場している。
8月に北京で開催された2024年世界ロボット大会では、森麗康科技(北京)が高齢者向け寄り添いロボット「小麗」を出展し、スマート介護の未来を示した。
同社の高雅副総経理によると、「小麗」は国内最高性能のチップ、高齢者に特化したヒューマン・コンピューター・インタラクション(人とコンピューターの相互作用)システムとマルチセンサーフュージョン(MSF、複数のセンサーから得た情報を統合・処理する)アルゴリズムを搭載。高い「運動性能」、温かい「音声体験」、豊かな「機能設定」を備え、まるで執事のように高齢者に付き添えるという。
シルバー経済の「スマート化」が進むと同時に、シニア層の質の高い製品やサービスに対する需要も高まりつつある。専門家は「新しい中高年は生活の質(QOL)と社会との関係を重視して自らの興味や趣味のためにお金を使う傾向にあり、シルバー経済に新たな発展チャンスをもたらしている」との見方を示した。(編集/日向)
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