Record Korea 2024年10月26日(土) 8時0分
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北朝鮮がロシアに派兵したとされる「暴風軍団」について、韓国紙は朝鮮半島で再び戦争が起きた場合、後方に浸透し韓国に滞在する米国人を人質として確保する主力、と報じた。 写真は北朝鮮。
北朝鮮がロシアに派兵したとされる「暴風軍団(11軍団)」について、韓国紙は「この部隊は過去に北朝鮮が公開した戦争シナリオにも登場」と伝えた。シナリオ上では朝鮮半島で再び戦争が起きた場合、後方に浸透し韓国に滞在する米国人を大挙人質として確保する主力だった。
中央日報によると、北朝鮮の対外宣伝用ウェブサイト「わが民族同士」は2013年3月22日に「3日戦争」のシナリオを公開。この中では北朝鮮軍は1日目に南側に向かって一斉射撃を敢行して軽歩兵部隊(軽い武装で広い地域を偵察・捜索する特殊戦部隊)を投じ韓国軍後方の主要軍事施設と産業インフラを打撃する。これに加え11軍団を投じてソウルと主要都市に滞在する米国人を人質として捕まえるのが計画だと紹介した。
暴風軍団は昨年10月にパレスチナの武装勢力ハマスのイスラエル攻撃時のように敵の後方に素早く浸透して身代金の高い人質を最大限確保し、今後の交渉で使用できるレバレッジを確保する役割を受け持つことになる。人質を「韓国滞在米国人」に特定したのも目を引く部分だ。韓国統計庁の「国際人口移動統計」によると、13年に韓国に3カ月以上滞在した米国人は約2万8000人だったが、このうち半分を超える人数を拉致する計画を立てていた。
22年の韓国国防白書は北朝鮮の特殊作戦部隊と関連し、11軍団と特殊作戦大隊、前方軍団の軽歩兵師団・旅団と狙撃旅団、海軍と空軍所属の狙撃旅団、前方師団の軽歩兵連隊など各軍と隊別に多様に編成されており、兵力は20万人に達するものと評価している。
一方で記事は「これら特殊作戦部隊の実際の戦力を計るのは難しいというのが専門家らの指摘だ」と言及。健康で思想的に徹底的に武装した精鋭要員を選抜して運用するとしても戦闘力は平時の地道な訓練と体力管理により維持されるためだ。「慢性的な経済難により特殊作戦部隊に対する補給すら円滑でない」という脱北者の証言が相次いで出ている点もこうした分析を裏付けている。
北朝鮮軍がロシア軍と合同訓練を進めた経験がほとんどない点も戦闘力に影響を及ぼしかねない要因だ。そうでなくても不慣れな地形や気候条件に言葉や通信の問題でコミュニケーションにまで困難が発生する場合、指揮統制が円滑にされない可能性が大きい。これは軍内外で北朝鮮軍がウクライナの戦場で特別な役割をできないまま弾除けに転落する可能性もあるという懸念が出ている理由だ。
ロイター通信によると、韓国外務省は21日、ウクライナへの派兵を目的とした北朝鮮軍兵士のロシア派遣に関してジノビエフ駐韓国ロシア大使を呼んで抗議。北朝鮮兵の即時本国帰還を求めた。
これに対し、ジノビエフ大使はロシアと北朝鮮の協力は国際法に沿ったもので、韓国の安全保障を侵害する意図はないとの見解を示した。国連の北朝鮮代表部も21日、派兵は「根拠のないうわさ」と否定した。(編集/日向)
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