人民網日本語版 2024年10月27日(日) 15時30分
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中国各地で特色ある縫いぐるみが販売され、若者に人気となっている。
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中国で話題を集めている湖南省オリジナルの縫いぐるみを販売する店には、ピンクと白の2色でデザインされている湖南省寧郷市産の豚バラ肉や湖南料理によく使われる激辛のトウガラシ、笑みを浮かべる地元産ナスビといった「新鮮な食材」がずらりと並んでいる。客は好みの食材を選び、店員が扮するコックに渡すと、店員が「調理」して特製の詰め合わせを作ってくれる。そしてこうした「ままごと」気分を大人も子供も楽しんでいるのだ。
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英国の縫いぐるみブランド「ジェリーキャット」は中国でも高い人気を誇っているが、そんなジェリーキャットのかわいさからインスピレーションを得て、中国の各地が地元の特色を生かしたオリジナルの縫いぐるみを打ち出し、現在までに湖南省、甘粛省、陝西省などが販売するさまざまな表情の縫いぐるみが話題となり、売り切れ続出の商品もあるほどの人気を誇っている。
「ジェリーキャット」は、1999年にロンドンで生まれた英国の縫いぐるみブランド。当初は乳幼児向けだったが、近年はそのかわらしいデザインで、大人の心もつかんでいる。正規のジェリーキャットの縫いぐるみは300~400元(約6000~8000円)ほどだが、湖南省の文化クリエーティブグッズショップで販売しているキーホルダータイプの縫いぐるみは20元(約400円)以下とかなり手頃な価格設定で、食材の縫いぐるみを3~4種類合わせて作る「詰め合わせ」は39元(約800円)だ。
また、甘粛省の天水麻辣燙(マーラータン、ピリ辛風味の煮込み料理)が中国のネット上で人気を集めたことを背景に、甘粛省博物館も先ごろ、キノコやブロッコリー、白菜、つみれ団子といった麻辣燙に入れる具材の縫いぐるみや、同省天水産のサクランボ、定西産のジャガイモなどの縫いぐるみを打ち出した。これらを購入した客には辛さのレベルを示す「微辣」「中辣」「麻辣」のカードが贈呈され、「麻辣燙」購入を模擬体験できる。
甘粛省博物館が8月上旬にショッピングサイト「天猫」旗艦店で縫いぐるみの予約を受け付けるようになると、1週間で20万人近くが「爆買い」した。そして旗艦店の販売数は前年同期比で343%増と激増した。
そして現在までに福建省福州市の高級スープ「佛跳牆」や広東省中山市の鳩のロースト「焼乳鴿」、陝西省西安市の中国式ハンバーガー「肉夾饃」、江蘇省蘇州市の上海ガニ、山西省の餃子と黒酢、新疆ウイグル自治区のナン、東北エリアの豚肉唐揚げの甘酢ソースがらめ「鍋包肉」とソーセージの「紅腸」、河北省保定市のロバ肉を挟んだバーガー「驢肉火焼」などの縫いぐるみが発売された。
ジェリーキャットは近年、大ヒットしており、そのブランドの時価総額が急増し、2022年の売上高は13億元(約260億円)以上、粗利は8億元(約160億円)に達した。中古品売買プラットフォームを見ると、希少価値の高い縫いぐるみも高騰しており、原価200~300元(約4000~6000円)の商品が1000元(約2万円)以上に達しているケースもある。コレクターはジェリーキャットの縫いぐるみを「癒しの源」や「家族」と見なしている。中国各地が販売している縫いぐるみはこうしたジェリーキャットのかわいさからインスピレーションを得て、中国ならではの食材と組み合わせて作り上げ、縫いぐるみ好きや観光客の「子供心」をわしづかみした。
このような癒し系の縫いぐるみは子供だけでなく、大人の間でも人気を集めている。商品のラインナップが豊富で、個性的なデザインであるだけでなく、毎年、限定版や限定シリーズの商品を発売する「ハングリーマーケティング」を実施しているからだ。特に人気の秘密となっているのが擬人化されたデザインにある。そしてジェリーキャットの実店舗で縫いぐるみを購入することで、まるで「ままごと」をしているような気分を味わうことができる。こうした感覚を「理解できない」とする人も少なくないものの、ジェリーキャットの顧客ターゲットとなっている人にとって、「ままごと」をしているような没入型のショッピング体験は、単なる消費行為というよりは、心が癒される時間となっている。
現在、消費市場で人気となっているのはエモ消費で、多くの人はショッピングに情緒的価値や心理的癒しを求め、それを通してストレスや不快感を解消したいと考えている。縫いぐるみに「息が吹き込まれ」、多くの人にとってそれが、悩みを聞いてくれる友達となっている。消費者は何の悩みもなかった子供の頃にタイムスリップしたような気分になり、現実の世界における悩みやストレスからしばらく解き放たれ、楽しさと心の落ち着きを楽しんでいるのだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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