トランプ大統領とハリス大統領、中国とってどっちが「おトク」?―独メディア

Record China    2024年11月5日(火) 0時0分

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ドイツメディアのドイチェ・ベレはこのほど、米国の大統領選にドナルド・トランプ氏が当選した場合と、カマラ・ハリス氏が当選した場合の対中政策の違いを予測する記事を発表した。

中国に対する本格的な「締め付け」を始めたのは、2017年1月から21年1月まで米国大統領を務めた共和党のトランプ氏だった。後任であるバイデン大統領も、民主党の所属ではあったが「締め付け」をむしろ強化した。現在の大統領選では、トランプ氏とハリス氏が接戦を続けている。中国にとって「おトク」なのはトランプ大統領なのかハリス大統領なのか。ドイツメディアのドイチェ・ベレはこのほど、専門家の見方を紹介する記事を発表した。

経済面でトランプ氏は、ほぼすべての輸入品に10%から20%の包括的な関税を課すことを提言し、中国製品には60%以上の関税を課すとした。トランプはこれらの措置が米国の製造業を後押しするとした。中国人民大学の刁大明(ディアオ・ダーミン)外交学学科主任は、このような政策を本当に実施すれば、米国の大衆の生活費が上昇しつづけることになると指摘した上で、「トランプ氏の好みとリズムも加われば、非常に複雑な状況になるだろう」と述べた。

一方のハリス氏が当選した場合には、「在任中に取る可能性のある行動を予測するのがさらに難しいかもしれない」との考えを示した。ハリス氏は副大統領としてバイデン大統領の製作を実行する立場だったので、外交スタイルやどのような主義主張を持っているのか、誰にも分かっていないからという。ただし、トランプ氏の政策をさらに進めたバイデン大統領の政策を維持するとみられているという。

一方で、アトランティックカウンシルグローバル中国センターの非常駐研究員であるエリザベス・フレウンド・ラルス氏は、「中国の指導者はハリスを好む可能性が高い。彼女はトランプ氏以外のかつての米大統領たちの方法で中国と付き合うからだ」との考えを示した。

バイデン大統領は選挙戦から撤退するまで「中国に対してもっと強硬で、トランプとバイデンのどちらが、(中国に対して)より強硬なのかを誇示していたようにも見えた」状態だったが、ラルス氏はさらに「ハリスにはそれは見えない。彼女の政策アジェンダは国内の問題にもっと集中する」と指摘した。

台湾問題については、ハリス氏は10月にCBSの取材で「中国が侵攻した場合、台湾を守るかどうか」と質問されて、「仮定的な問題を議論することはできない」と答えた上で「台湾が自己防衛する能力を持つ」ことを確保すると述べた。この発言は、米国で1979年に成立した台湾関係法に呼応するものだ。

トランプ氏は台湾が米国の防衛を獲得するために「保護費」を提出すべきだと何度も主張して論争を引き起こしてきた。ラルス氏によると、トランプ氏のこの発言は共和党の一貫した態度にかなり合致している。すなわち、台湾は国防予算を少なくともGDPの5%まで大幅に引き上げ、米国側に自衛の決意を見せるべきだとの主張という。ラルス氏はさらに、「トランプ氏を分析しようとしたら、さまざまな発言に注目することになるが、本当に注目せねばならないのは彼の行動だ」と指摘した。

清華大学講師で中国の独立政治コメンテーターの呉強(ウー・チアン)氏は、中国政府はハリス氏よりもトランプ氏を好むかもしれないと分析した。

まず、トランプ氏が大統領になった場合には、前の任期時と同様に、「孤立主義」を推進するとみられる。そしてNATOや日本などのアジアの同盟国については「(米国の)防衛に貢献していない」として、「支援を撤回する」とも発言している。呉氏は、トランプ氏が大統領に返り咲けば、新たなタイプの冷戦が発生する可能性があると述べた。

すなわち、これまでのような民主主義と権威主義の争いではなく、民主主義陣営の内部で、国と国の対立が激化する可能性だ。そうなれば、世界における米国の役割は弱まり、中国はそのことで利益を得る可能性があるという。

ただしラルス氏は、「トランプ氏が2017年に大統領に就任して以降、世界の地政学構造は大きく変化し、世界の多くの地域で衝突が起きている」「トランプ氏個人の孤立主義傾向にかかわらず、その外交政策チームは米国の同盟国との協力を引き続き推進することを考えている」と指摘した。トランプ氏も、同盟国との協力をやめるとは考えにくいという。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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