女子寮で火災、出入口の「顔認証システム」のせいで避難遅れる―中国

Record China    2024年11月13日(水) 0時0分

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11日、大風新聞は、山東省の大学にある女子寮で火災が発生した際、顔認証ゲートシステムが避難の妨げになったとして物議を醸していることを報じた。

2024年11月11日、中国メディアの大風新聞は、山東省の大学にある女子寮で火災が発生した際、顔認証ゲートシステムが避難の妨げになったとして物議を醸していることを報じた。

記事によると、同省済南市にある斉魯工業大学長清キャンパスの女子寮で10日午後に火災が発生した。火元は1階の部屋と見られ、外からも赤い炎と黒煙がはっきり見えるほど火勢が大きく、宿舎内にいた学生らが外に避難しようとしたものの、避難経路で詰まって前に進めなくなったという。

ネット上では同日夕方に宿舎の学生と思われるネットユーザーが「宿舎の入口に設置されていたゲートが開かず、避難時に一人ひとり顔認証してゲートを通らなければならなかった」と証言し、当時の状況について「上の階から降りて来たが、ゲートが開かなかった。黒煙が立ち込める中で顔認証を求められてもうまくいかないし、ゲートを操作して開けてくれる人もおらず、本当に怖かった」と語るとともに、学校側の対応について「カーテンの取り付けを禁止することで解決するつもりのようだ。しかも火元の部屋だけの責任を負おうとしており、他の部屋の学生が軽い一酸化炭素中毒を起こしているのに何のケアもしていない」と不満をこぼしたという。

同大学の関係者は火災を事実と認め、「すぐに火は消し止められた。普段から消防訓練をしている。宿舎にも消火器を備えている」と説明する一方、出火原因については「はっきり分からない」とし、「死傷者は出なかった」とコメントした。

また、同大学の安全管理部門は11日、避難が遅れた原因が顔認証システムにある可能性について「避難する人が多かったから。顔認証は学校の安全システムであり、必要なもの。当時は人が殺到したので時間がかかった。顔認証がなければ学生の安全は確保できない」と述べ、火災発生時に警備担当者が早急に駆けつけてシステムの解除や学生の誘導といった対応を取ったのかとの質問を受けると、「宿舎の警備員が現場に駆けつけて処理した」とだけ語り、「あくまで小さな火災であり、速やかに対処した」と強調したという。

この件について、中国のネットユーザーは「あくまで小さな火災と認識しているところが恐ろしい」「小さな事故の積み重ねで大きな事故が起きる。そこには管理者の危機管理不足があるのに」「次は火事を起こさないようにすればいいという話ではない。避難を妨げる顔認証システムは撤去すべき。スムーズな避難経路が確保できなければ、リスクは残り続ける」「電源が切断されたら顔認証でもゲートが開かなくなる恐れがある。火事などの緊急時にはゲートを開けるべき」「学校の関係者に、学生が当時置かれた状況を体感させたほうがいいのではないか」といった感想を残している。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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